コンサドーレ
2024/04/11 12:00

《元赤黒戦士の現在地・石川直樹前編》札幌アカデミーのダイレクター就任「人間性を教育できる組織に」

札幌アカデミーのダイレクターに就任した石川直樹さん=撮影・工藤友揮

通算6シーズン札幌でプレー

 かつて北海道コンサドーレ札幌で活躍した選手に現在の活動や、現役当時の逸話を語ってもらう『元赤黒戦士の現在地』。今回は2009年途中から10年、そして17年途中から20年までの2度、通算6シーズンにわたって札幌でプレーし、今季からコンサドーレのアカデミーグループを統括するダイレクターに就任した石川直樹さん(38)を紹介する。前編ではダイレクター業務への意気込みや、今後のアカデミーグループ運営のビジョンについて聞いた。(以下敬称略。前編ではアカデミーチーム所在地の地名が文中に複数登場するため、チーム名を「コンサドーレ」、チームの所在地をそれぞれの地名で記載する)

ダイレクターの業務とは

 「アカデミーのトップとして遠征費の話し合いといった予算管理や、スタッフや選手が活動しやすい環境をどうつくるか、というマネジメントもします。現場での指導というより、プロを目指す組織として、1人でも多く(上に)上げていくために何ができるのか、そこにどうお金やエネルギーを使っていくか、ということを中心となって考えるのが主な仕事です」と、ダイレクターの業務内容を説明する。

 20年の現役引退後、スペインでメンタルトレーナーの研修を受けたり、大阪体育大学院でスポーツ心理学を学ぶなど、選手のメンタルサポートについて知見を深めてきた。23年に古巣であるコンサドーレのアカデミーグループの札幌マネジメントチーフ兼旭川・釧路・室蘭チーフに就任した。

 

スタッフで復帰1年目 「ほとんど家にいなかった」

 とにかく多忙な日。「ほとんど家にいないんじゃないか、というくらい、旭川、釧路、室蘭を回って、各エリアのスタッフとコミュニケーションを取り、抱えている課題を聞いた」という。U-15以下は札幌を含めて拠点が4つある。「そこからどう吸い上げて1つしかないU-18に集結させ、プロを育てるか」という全体像が捉えられたという。スタッフとして札幌に復帰した1年目として「ダイレクターをやる上でも、いい1年だった」と回顧する。

前任者の次は後任不在で不都合が…

 アカデミーグループは22年限りで前任のダイレクターが退任。23年は後任を置かず、石川を含めた3人のチーフがそれぞれのセクションを担当した。各エリアが石川、U-12・15が青山剛(現サポートスタッフ)、U-18が財前恵一(現ヘッドオブコーチ)という形で役割分担。うまくいかない部分があったため、強化部と話し合い、やはりダイレクターは必要、誰か統括する人がいないと、という結論になった。そこで白羽の矢が立ち、石川のダイレクター就任となった。

 石川は「やるからには、変えるところは変える。継続するべきところは継続する、というところを、もう少し明確にします」と方針を打ち出し、就任を受け入れたという。

柏ユースから這い上がってトップチームへ

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