恵庭出身の阿部未悠がプロ初勝利 次に狙うのは2勝目、いや始球式!?
恵庭出身の女子プロゴルファー・阿部未悠(23、ミネベアミツミ)が、7日まで行われた富士フイルム・スタジオアリスで初優勝。国内レギュラーツアーで北海道勢の新規優勝者は、2019年の小祝さくら(25)以来、通算10人目。昨オフに合同自主トレを行った、NPBソフトバンクの甲斐拓也捕手(31)からの金言を胸に、76試合目での初優勝に繋げた。今週のトーナメントは、体の定期的なメンテナンスやシーズン中には行えないトレーニングの週に充てていたため欠場。19日のフジサンケイレディスクラシックで戦列に復帰する。
「えっ、本当に勝ったよね」
1打リードで迎えた最終日の18番。1.2メートルのウイニングパットをしっかりカップにねじ込むと何度も右拳を握りしめた。「キャディーさんに確認しましたね。『えっ、本当に勝ったよね』って。なんかちょっと信じられなくて、本当に私だよね、合ってるよねって。これ18番だよね、そうだよねって言って確認したぐらい」。思わず自分のほっぺをつねりたくなるぐらいの状況を飲み込むと、思わず涙がこぼれ落ちた。
2年連続のシード選手として迎える今季へ向け今年1月、知人を通じて甲斐の地元・大分で行われた自主トレに10日間参加した。そこで甲斐から金言を授かった。「優勝はもちろんしたいけど、野球を楽しむ、と言っていて、そこでハッとさせられた。私、そういえばゴルフ好きだったと。原点回帰じゃないですけど、 なんでゴルフやってるんだっけと思って。ゴルフが好きで楽しくて、それを仕事にするために今まで頑張ってやってきたのに、優勝できなくてとか、苦しいです、みたいなのって、違うかもしれないと思って、すっと入ってきた」。
福岡で過ごした中学、高校時代 ホークス観戦
中学、高校と福岡にゴルフ留学していた影響で、当時からホークスの試合観戦に訪れていた。「甲斐キャノンがバズる前ぐらいに『うわ、この人すごいな』って」。〝箱推し〟ではなく、甲斐個人のファンになった。「育成から上がってきて、今や正捕手どころか日本代表。本当に練習もトレーニングもみんな笑顔なんですよ。よっしゃ、行こうぜみたいな雰囲気が、ゴルフはチーム競技じゃないから、ない感覚だったし、真剣なんだけど、ちゃんと楽しんでるっていう感覚がすごく新鮮で楽しかったですね」。今大会3日間、その言葉を忘れずにプレーできる喜びを感じながら戦い抜いた。