《荒木大輔のズバリ解投》山崎&伏見のバッテリーから学ぶべきことは多い
■パ・リーグ1回戦 日本ハム4ー2ソフトバンク(4月9日、熊本・リブワーク藤崎台)
さすがのピッチング ゲームの進め方を熟知
山崎が移籍後初勝利。さすがという投球を披露した。3者三振に打ち取った四回以外、毎回ヒットを許した。それでも大崩れしない。ゲームの進め方、どうすれば凡打を打たせられるかを熟知している。ピンチを迎えても落ち着いていたし、こちらも見ていて「大丈夫か?」と心配になることはなかった。五回無死二、三塁で柳田に死球を与え、満塁となった場面が最たるもの。後続を打ち取り、無失点に抑え込んだ。
自らのペースに打者を引き込む
何が優れているのか。まずはテンポ。自分の投球スタイルを理解しているため、まったくペースが乱れない。クイックだったりで、相手のタイミングをズラし、時には間を取る。終始、自らのペースに打者を引き込むことができていた。
頭を整理する間を与えない
スコアブックをつけながら、次の球種を考えていると、もう次打者への投球を開始していた。そんなシーンも何度かあった。バッターも同様だ。頭を整理する間もなく、勝負させられることもあるだろう。
伏見はキャッチャーらしいキャッチャー
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オリックス時代から、長くバッテリーを組んでいる伏見が山崎の良さをうまく引き出している。自分が目の前のバッターに対して「どうこうしたい」ではなく、ピッチャーをどう生かそうかを最優先に考えている。山崎も全幅の信頼を寄せている。開幕から、田宮が存在感を示している。今のところ、レギュラーを奪取しようかという勢いだ。キャッチャーらしいキャッチャーの伏見から、学ぶべきことは多い。
ゾーンで勝負できるようになった北浦
リリーフ陣も素晴らしかった。特に北浦と金村。七回無死一、二塁で登板した北浦は犠打で1死二、三塁となった後、柳田を空振り三振。すべて低め低めにコントロールされていた。以前までの彼なら、低めではなく、アウトコースに外れていたかもしれない。しっかりと打者が振りたくなるようなゾーン(ベース上)に投げられていた。経験を積み、自信を深めたことで、オドオドすることなく、落ち着いてバッターに向かうことができている。
勝ちパターンを懸けた競争は激化 申し分ない金村
回またぎで1回⅓を無失点に抑えた金村は完璧に近い内容だった。力のあるストレートにフォーク。コントロールもいい。申し分ない。池田の離脱で中継ぎに回ったのだろう。勝ちパターンを懸けた競争も今や、激しさを増している。