2大ドーム効果で北海道高野連が黒字決算 北海道大会の集客増で収益V字回復
北海道高野連第1回理事会開かれる
北海道高校野球連盟(道高野連)の令和6年度第1回理事会が札幌市内で12日に行われ、道内2大ドームで開催した北海道大会で観客数が増加、財政がV字回復したことが明らかになった。また、春夏秋の本年度の大会日程や連合チーム結成のルール変更などが了承された。今夏の北北海道大会は旭川スタルヒン、南北海道大会は昨年に続き札幌円山と北広島・エスコンフィールド北海道で行われる。
昨夏の南北北海道大会準決勝、決勝で4万5000人動員
収益増の主な内容は入場料収入。横山泰之専務理事(49)によると、昨夏の全国高校選手権大会の南・北北海道大会の各準決勝以降6試合を、昨春に開業した日本ハムの新本拠地、北広島・エスコンフィールド北海道で開催。4日間で4万5000人を動員した。さらに秋季全道高校野球大会19試合を札幌ドームで開催したことで「予算立てした総額のほぼ倍」の約8740万円近くの収入があったそう。
約1500万円を加盟校に還元
このうち約1500万円は加盟校(202校)への還元事業に充当する。「我々は財団なので、あまり(お金を)持っていられない。選手が頑張ったから頂いたお金なので」。第1弾は、約800万円を使い今春の選抜甲子園から導入された新基準の低反発バットを配布する。すでに日本高等学校野球連盟から道高野連を通じて2本配られているが、さらに道高野連独自で各校1本追加する方針。またバット以外を望む高校にはヘルメットや捕手用マスクなどバットの金額相当分の用具を提供する。
コロナ禍の借金を返済
道高野連は、2020年のコロナ禍に各球場の感染症対策のための出費で財政が急激に悪化。日本高野連から無利子で資金援助を受け、さらに中止になった全国高校野球選手権の南北北海道大会に変わる独自大会開催費用の一部、約400万円をクラウドファンディングを通じて調達するなど「これまでは自転車操業だった。それぐらい大きいお金を(返す)予算立てしても十分に積み立てられるお金があったり、繰り越すお金があったり。やっと普通に運営できる感じです」。早ければ、年度内に第2弾、第3弾の還元事業も実施する計画だ。