芸能
2024/04/16 12:00

道産子同学年の山崎あおいとsnowyがコラボ楽曲制作 冬の北海道を表現した「White」を3日にリリース

シンガーソングライター・山崎あおい(右)とsnowyが来社し、共同制作したシングル「White」のPRとインタビューに応えた=撮影・小田岳史

 

 地元に思いを馳せながら―。北海道出身のシンガーソングライター・山崎あおいとsnowyが共同制作したシングル「White」を3日にリリースした。同学年で北海道生まれという共通のルーツを持つ2人がコラボレーション。楽曲は「北海道の冬の記憶」をテーマに制作し、MV撮影は下川町協力の下、道北で行った。北海道の魅力が詰まった1曲が完成した。

北海道の澄んだ空気思わせるメロディー

 高校時代から親交のあった2人が、故郷の曲を作り上げた。ダンスビートとアコースティックを掛け合わせたメロディーは北海道の澄んだ空気を連想させる。同曲の出来栄えに山崎は「こういうのも作ったことがなかったですし、歌い方もチャレンジングだったので、新しい発見があっておもしろかったです。新鮮なものがあふれた制作でした」と話すと、snowyも「あおいの一瞬の切なさや青春の切り取り方が昔から好きでした。それが今回は自分も参加した作品でも出せたなと思うので、気に入っています」と納得のいく〝化学反応〟を起こせた。

 山崎はKinKi Kidsや鈴木愛理、アンジュルムなどへの楽曲提供、そして自身はアコースティック音楽を手掛けることが多い。一方のsnowyはダンスビートと生楽器が融合したオルタナティブサウンドを特徴としており、違うフィールドで活躍してきた2人が今回混じり合った。

アコースティックとダンスミュージックの融合


 山崎「ずっと友達ではあったので、一緒に曲を作ることもできたとは思うんですけど、それぞれでやっている音楽性が遠かった。私は作家的に曲を磨いているところで萌(snowy)はダンスミュージックとかエレクトロな感じの方向の音楽を極めている。今一緒に作ったら全く想像つかないものが出来るよねと思って、やってみようかと」


 snowy「こういうコラボで新しいジャンルを作ろうというか、アコースティックのメロディーの美しさと、トラックのダンスミュージックがそれぞれでやってきたことだったので、それが合わさってちょっと珍しいものになった感じです」

息ぴったり 抽象的な感覚を共有

 活躍するジャンルが違えど、付き合いの長い2人に障害はなかった。作詞作曲のみならず、編曲、録音などのマスタリング以外の過程を一緒に作り上げた。snowyは「何でも言い合っていた。こういう音像がいいよねというリファレンスもお互いに出して、『いいね、いいね』みたいな感じでした」と振り返る。山崎も「言葉にはしにくい『これエモいね』とか『冷たい感じの音だよね』とか、抽象的な感覚を共有することができた。そこが一致しないと前に進まないと思う。けど一番大事なところが共有できていたので、スムーズに制作できました」と息ぴったりだった。

厳寒の下川町で撮影 カメラを冷凍庫に入れてテスト

 そして、冬の北海道を表現する上で道北はこれ以上ない舞台だった。下川町でアイスキャンドルミュージアムが開催されている期間に撮影。「すごく美しかった。氷の中に火があって、その一瞬の切なさとかも含めて美しかった」とsnowy。氷点下10度を大きく下回る中だったこともあり、山崎は「カメラが壊れないか心配でした。撮影してくれたカメラマンも下川町へのテストをするために、撮影の前の週にカメラを冷凍庫に入れてチェックしてくれていた」と苦笑いした。

 2人とも高校卒業後、音楽の夢を持って上京。北海道は帰る場所と考えていたが、年齢を重ねると思いも変わっていった。「いずれは北海道に自分のスタジオを持つことを目標」という山崎にとって、このコラボは「北海道に根付いた活動をしたいと思ったことの第1号」だという。「また自然の中でMVを撮るとか、北海道のアーティストとのコラボもどんどん増やしていきたいと思っています」と続けた。広島や沖縄で街づくりとアートのプロジェクトにも参加してきたsnowyは「アートを通して街と関わる中で、北海道という故郷でもそれをやりたい思いが生まれています。自分の脳みそとか経験で街と関わっていくような新しいモデルで、音楽と故郷をつなげていけたら」と思いを巡らせている。

ともに日本ハムファン「エスコンで何かやりたい」

 そして、2人は日本ハムのファンでもあり、14日には「エスコンフィールド北海道」に立ち寄った。初めてだったという山崎は「すごかったです!」と目を輝かせていた。そして、ファン歴16年で今でもファンクラブ会員のsnowyは「2人の野望としてはエスコンで何かやりたいです」とアピール。「野球に関わらない人も関わっている場所。街を作ろうというのを感じたので『野球×音楽』はもっといろいろありそうなので、Fビレッジならではの関わり方がしたい」とアーティストとしての感性が研ぎ澄まされた。夢を見て北海道から旅立った2人が〝再出発点〟に故郷を選んだ。


■プロフィール

 山崎 あおい(やまざき・あおい) 札幌市出身のシンガーソングライター、作詞・作曲家。高校在学中にYAMAHA主催のコンテスト「The 3rd Music Revolution」に出場し、グランプリと特別審査員賞をダブル受賞。大学進学を機に拠点を東京に移し、2012年8月にメジャーデビューを果たした。ハロー!プロジェクトをはじめとする女性アイドルグループや、KinKi Kids、WEST、藤井隆などのさまざまなアーティストへの楽曲提供でも活躍。同じく北海道出身の男性シンガーソングライター・西川真琴とのポップ・ユニット「motorpool」を結成し、活動の幅を広げている。


 snowy(すのーうぃ) 札幌市出身のシンガーソングライター、音楽プロデューサー。エレクトロポップバンド「エドガー・サリヴァン」のボーカル佐々木萌のソロプロジェクトとして22年2月に始動した。Klang Rulerの作品への参加や土岐麻子、藤井隆らアーティストへの楽曲提供なども行っている。また、空間サウンドデザインの事業にも携わる他、1st EP「thermograph」のジャケットデザインを担当したarisa kumazawaと「音楽×絵」をテーマとした個展を開催するなど、多岐にわたる活動でも話題を呼んでいる。

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