《こぼれ球》Wカンタの将来が楽しみ
将来期待の〝Wカンタ〟が憧れのJリーガーへ一歩前進した。4月12日、U-18のDF坂本勘汰(札幌稲雲高3年)とMF川崎幹大(札幌新栄高2年)が2種登録され、13日からトップチームの練習に合流。17日のルヴァン杯2回戦のアウェー沼津戦では早速ベンチ入り。坂本は後半28分に〝プロデビュー〟も果たした。U-18プリンスリーグ北海道の取材などを通じて成長を見てきただけに、トップチームに合流した姿を見ると、親戚のおじさんになったような気分で応援したくなる。
坂本は1月の沖縄キャンプに帯同。「2種登録を目標にやってきたので素直に嬉しい」と喜んでいたが、沼津戦後には「緊張はあまりなかったけど、いつも見ている光景と全部が違いすぎて、ピッチに入った瞬間は結構、驚きの方が強かったです」と感想を残した。
川崎は世代別日本代表に何度も選出。沖縄と熊本キャンプに参加。シャドーとボランチが本職で、中学3年時から飛び級でプリンスリーグに出場してきた。沼津戦前「キャンプに呼ばれた時から、2種登録を目標にやってきた。これからプロの舞台でも違いを見せられるようにやっていきたい。持ち味は展開力や、縦につけて潜り込むところ。そこを見てほしいです」と意気込んだ。坂本と同時デビューは逃したが、次のチャンスに期待したい。
互いになんと呼び合うのか気になっていたが、今回ようやく判明した。札幌U-18では坂本が坂本で、川崎が「カンタ」だったが、4強入りした22年の国体少年男子に2人とも選出された際、「(川崎が)飛び級で来たから、なんて呼ぼうか、となった時に、エンゴロ・カンテ(フランス代表)って、似たようなポジションの選手がいて、その時にみんなからカンテ、カンテって言われてる」。坂本は「カンタ」、川崎が「カンテ」で定着したという。
トップチームに合流した13日はプリンスリーグの開幕戦と重なり、2人が抜けた札幌U-18は北海道大谷室蘭高に1-1のドロー。3バックの右を務める坂本は「今年から本格的にトップチームと同じ3-4-2-1。試行錯誤しながらやってる感はあるんですけど、ここからは本当に負けられない試合になる。みんなで立て直していければ」と巻き返しを図る。2人の道産子がプロへのサクセスストーリーをどうやって紡ぎ出すか、その行方を楽しみに見届けたい。