栗山CBOが著書刊行記念イベント 批判受けた2軍染髪禁止の理由を明かす
講談社で本、読書の素晴らしさを熱弁
昨年、侍ジャパンを率いてWBC優勝を果たした日本ハムの栗山英樹CBO(チーフ・ベースボール・オフィサー)が16日、著書「信じ切る力 生き方で運をコントロールする50の心がけ」刊行を記念し、東京・文京区の講談社で特別講演会を行った。冒頭では、有隣堂の松信健太郎社長と対談を行い、本、読書の素晴らしさを熱弁。最後には、会場に集まった観客からの質問を受け付け、一つ一つ丁寧に応えた。
自分の子供を預けたいと思えるチームに
今季から、日本ハムの2軍チームは茶髪などの染髪が禁止になった。栗山CBOは質疑応答の中で、その意図について「世界一強いチームではなくて、世界一愛されるチーム、組織にしなければいけない。多分、これからメジャーリーグ30球団と、日本のチームが選択肢として横並びになれる可能性が出てきていると思っていて、そうなったときに、僕が一つイメージしているのは、自分が自分の子どもを、このチームにだったら預けたいって思えるようなチーム。それで今回、『髪の毛染めるの禁止ね』とファームに言った」と説明した。
見た目が不快と思われるのは良くない 伝えることが優しさ
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
多様性の時代。批判の声は耳に届いている。それでも、自分の信念を貫く覚悟だ。「結構、時代錯誤だとか言われながら、批判されています。ただ、本当に大切なこと、必要なことは、若い人たちに言うことが優しさだと思っている。例えば企業の中でも接客をする女性の方は、僕(詳しくは)分からないですけど、髪を染めるときに黒の6番までとか、そういうのがあるんですよね。そこまで、皆さんが努力しているのに、野球でお金を払って見てもらう選手が、見た目が不快だと思われるのは僕は良くないと思っている。1軍の選手は自分で飯を食えているから良いとして、まずはファームからやりましょうと。大まかなルールですけど、みんなに愛してもらう野球ができないと、野球が長続きしないと思うので。今は結構ファームにいることが多くて、まずはファームの組織をしっかりして、前に進んでいく。僕が考えていることが正しいかどうかは分からないですけど、そんなことを考えています」と力を込めた。
監督は若い人たちがやった方がいい
もう一度現場に戻って監督を務める気持ちがあるか、という質問に対しては「そう言っていただけると非常にありがたいんですけど、年齢的にも、あんまり監督をやらない方がいいかなーみたいな(気持ちもある)。言われて絶対やらないということもないですけど、監督をやるとすごく勉強になるので、次の世代の人たちがその経験をして、野球界のために若い人たちがやった方がいいかなというのはあります。誰も僕に声をかけてくれないかもしれないので、声をかけてくれたら考えようと思います」と思いを明かした。
番組出演を機に料理も得意に
プライベートな質問にも、笑顔で回答した。一番得意な料理を聞かれると「黒歴史ではあるんですけど、僕はNHKで5年間、料理番組をやっていたんですよ」と胸を張り、「そのときは、料理ができなかった。自分でできないと、どこが難しいか質問できないでしょ。それでやるようになってから、今は何でも作りますね。記者の人たちが北海道に来たときに、僕の作った中華丼とか、スープを食べてもらったりします。ちょっと自慢ですみません」と会場を笑わせた。
日本ハムだけでなく、日本野球全体の発展を目指す栗山CBOの今後の活動から、目が離せない。