貴重な適時打を放った伏見寅威が山崎福也と〝さちとら〟でお立ち台「まだまだ上にいけるピッチャー」
■パ・リーグ3回戦 ソフトバンク1-5日本ハム(4月16日、エスコンフィールド北海道)
日本ハムの伏見寅威捕手(33)が16日、ソフトバンク戦に「7番・捕手」で出場し、七回に貴重な追加点となる左前適時打を放った。守っては先発の山崎福也投手(31)を好リードし、〝さちとらバッテリー〟で本拠地初勝利をつかんだ。
お立ち台で「やりましたー!」と絶叫
エスコンフィールド北海道のお立ち台で、〝さととら〟が並んだ。ニコニコ笑顔の山崎の横で、伏見は「やりましたー!」と絶叫。「福也には、たまには打ってくださいとよく言われているので、打てて良かったです!」とドヤ顔し、笑いを誘った。
コンビで悲願のヒーローインタビュー
2人そろってのヒーローインタビューは、さちとらコンビの悲願だった。山崎がオリックスから移籍後初登板となった4月2日の本拠地開幕戦では、七回途中3失点(自責2)。チームは2ー4で敗れていた。
「良かったですね。本拠地開幕の時、それが目標でやってきて、それができなかったので。こうやって福也にも勝ちがついて、僕もタイムリーが出て、一緒にお立ち台に上るのがまさかのこんな早く来るとは、っていう感じですけど、うれしいです」。背番号23は安堵(あんど)の表情を浮かべ、グッと喜びをかみしめた。
2週続けてのリードに難しさ
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首位・ソフトバンクとは、山崎が移籍後初勝利を挙げた9日から2週続けての対戦。やりづらさも多少はあった。一回は一、二塁とピンチを招き、先制点を献上したものの最少失点で踏ん張った。
ヒヤヒヤの展開に、伏見は「一回も悪くなかった。僕がなんか折り返し(の対戦)ということもあってちょっと考え過ぎたところもあったので、僕の責任だと思います。この失点は」と反省。「二回以降は福也がテンポと、要所でいいところに投げてくれていたので、そういうのでリズムもできました」と感謝した。
バットでは2週続けて援護
お立ち台では後輩から「珍しかった」とイジられたが、バットでも援護した。9日は左犠飛で打点を挙げており、この日はリードを広げる適時打をマーク。一塁ベース上では両手を叩いて喜び、「たまたまなんですけどね。点が入ると僕自身が楽になるので。リリーフピッチャーも気持ち少し楽になって、みんなが救われるので」とはにかんだ。
2人とも勝負事に熱い性格
山崎とはオリックス時代の2020年頃からコンビを組む。〝さちとら〟のネーミングが定着し、気心知れた仲だが、2人とも勝負事においては熱い性格だという。22年にはピッチングのことで意見が対立し、口をきかない期間もあった。紆余(うよ)曲折を経て、絆はより強固なものになった。
福也の新たな武器に頼もしさ
昨オフに伏見の後を追うように、山崎がFA権を行使して日本ハムに加入。2年ぶりにバッテリーを再結成し、左腕の成長ぶりを実感する日々だ。カットボールを効果的に使用し、投球術の引き出しが増え「僕が2年前に組んでいたときになかったボールなので。去年磨いて今年って言う感じだと思います。全部勝負にいけるし、カウントもいける」と驚かされた。
「成長を感じますし、やっぱりまだまだ上にいけるピッチャーだと感じます」。〝さちとらコンビ〟はやっぱり鉄板。北の大地で、さらなる高みを目指していく。