51歳のレジェンド葛西紀明が2つのギネス世界記録認定 計7個で並ぶイチロー超え&五輪9度目出場へ
公式認定証授与式に出席
イチロー超え、そして五輪へ―。ノルディックスキー・ジャンプ男子の葛西紀明(51、土屋ホーム)が17日、札幌市内の土屋ホームで行われた「ギネス世界記録公式認定証授与式」に出席し、新たに2つのギネス世界記録が認定された。
26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪へ闘志
葛西は3月22日のW杯プラニツァ大会(スロベニア)で29位に入り、51歳290日のW杯最年長ポイントを獲得。さらに、2017年3月26日のW杯同大会3位で打ち立てていた44歳293日のW杯最年長表彰台記録も、ギネス世界記録に認められた。これで自身7個目のギネス世界記録となり、米大リーグ年間最多安打(262本)など7個のギネス世界記録を持つ元マリナーズのイチロー氏(50)に並んだ。葛西は8個目のギネス世界記録への意欲を見せ、2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪出場への闘志にも火が付いた。
今季は目標通りの成績を残せた
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充実したシーズンとなった。今季はTVh杯ジャンプ大会で優勝するなど、国内大会で結果を残してW杯札幌大会のメンバー入りを果たした。同大会でも30位に入り、5シーズンぶりにW杯ポイントを獲得し、海外遠征組にも加わることができた。そしてW杯プラニツァ大会を29位で終え、51歳290日というW杯最年長ポイントの記録を打ち立てた。
「自分の計画通りのシーズンが送れたと思います。国内大会で優勝することができましたし、自分の目標であった札幌W杯でメンバーに選ばれて、そして30位以内に残り、ポイントを獲得する。そのあと後半戦の海外W杯に参戦して、またポイントを重ねるという目標を立てたのですが、自分の目標通りの成績を出すことができて、うれしく思っています」
もう家では飾る場所がない
同じく2017年のW杯最年長表彰台記録もギネス世界記録に認定され、保持するギネス世界記録はイチロー氏と並ぶ計7個。「並べたのは本当にすごいこと。まだまだチャンスがあるんじゃないかなと思っているので、どんな記録があるか分からないですけど、8個目を目指せたら」とイチロー超えへ照準を合わせた。一方で「5つの認定証は玄関に入ってすぐのところに飾っていた。2つ増えて飾る場所がちょっとないかな…」という悩みも吐露し、「(今までの認定証の)上か下に掛けます」と苦笑いした。
走り込み3倍が奏功 今年はほぼ無休で
年が明けてからの走り込みをこれまでの3倍ほどに増やしたことが奏功。この手応えを来季につなげるために、オフシーズンの過ごし方に変化を加える。例年ならばシーズン終了後に1カ月ほどの休暇を取っていたが、今年は「1日か2日」と、ほぼ無休で状態を維持しながら夏へと向かっていく。5月は沖縄・宮古島、6、7月はスロベニアで合宿を張る。そして、名寄で7月に行われるサマージャンプ大会に向かう。
来季照準は世界選手権
来季以降の目標は明確に設定している。「次のシーズンの目標としてノルウェーの世界選手権に出場することと、2年後のイタリア五輪で9度目の出場が叶えば。諦めずに頑張っていきたい」。自身の成績が低迷していたときは、「自分のレベルじゃオリンピックという言葉は口から出なかった」。しかし、今季得た自信から葛西は期待感にあふれていた。「海外のW杯のレベルを見て、自分のレベルを感じて、世界選手権、オリンピックが見えてきた」。狙うは53歳で迎える五輪の空。レジェンドはまだまだ世界を舞台に戦っていく。
■葛西のギネス世界記録
①世界選手権ジャンプ個人戦最多出場【13回】
②冬季五輪最多出場【8回】
③冬季五輪ジャンプ最年長メダル獲得【41歳256日】
④ジャンプW杯最年長優勝【42歳176日】
⑤ジャンプW杯個人戦最多出場【578試合】
⑥ジャンプW杯最年長個人表彰台【44歳293日】
⑦ジャンプW杯最年長ポイント獲得【51歳290日】