【プレーバック・写真入り】ルヴァン杯2回戦 沼津1-3札幌(4月17日、静岡・愛鷹広域公園多目的競技場)
田中宏プロ初得点、小林2得点で快勝 戦列復帰のスパチョークは2アシスト 札幌U―18のDF坂本がJデビュー
北海道コンサドーレ札幌はルヴァン杯2回戦でJ3アスルクラロ沼津と対戦し、3-1で勝利した。J2仙台を1回戦で下して勝ち上がってきた沼津は、元日本代表FWで札幌OBでもある中山雅史監督(56)が率い、同じく元代表FWの齋藤学(34)やFW川又堅碁(34)を擁するJ3の雄。今季リーグ戦でも首位に1差の2位につけている。札幌は中2日で迎えるJ1リーグ戦も踏まえ、若手選手中心のメンバーで臨んだ。
前半は札幌が押し気味にゲームを進めた。左ウイングバックの高卒ルーキーMF原康介(18)は何度もドリブル突破を見せ、攻撃を活性化させた。すると10分、その原がペナルティーエリア内左でパスを受けて中央へクロスを送り、FW金健熙(29)が鋭い右足シュート。相手GKが弾いたボールをMF田中宏武(25)が詰めて押し込み、プロ初得点となるゴールで先制した。
ハーフタイムにミハイロ・ペトロヴィッチ監督(66)が一気に4枚替えし、リーグ戦でも活躍するMF小林祐希(31)やケガから戦列復帰したスパチョーク(25)らを入れ、よりフレッシュなメンバーで攻勢を強めた。
しかし後半9分には一瞬の隙からハーフウェーライン付近からのスルーパスを通され、失点を許してしまう。同点となったが、札幌はJ1の意地を見せるかのようにすぐさま反撃を見せる。同10分、スパチョークの左サイド突破からエリア内左に入ってきた小林へラストパス。すると小林は左斜め45度から左下ニアの狭いところを左足で打ち抜き、勝ち越しに成功した。
さらに同15分には、同じくスパチョークが速いドリブルでエリア内左に侵入し、相手DF2人を引きつけたところで後方から走って来た小林にバックパス。エリア手前でシュートモーションに入った小林は、少し前に出ていた相手GKを確認し、それをあざ笑うかのように頭上を越えていくループシュートを決めた。
その後は沼津も攻勢を強めたが、札幌のGK阿波加俊太(29)が立ちはだかる。同27分は右クロスからの強烈ヘッドを、同31分にはゴール前に突進して来たFW津久井を体を張って止めるファインセーブで失点を阻止した。
同28分には2種登録している現役高校生の札幌-18DF坂本勘汰(17)がJデビューし、新たな経験を積んだ。
J1の威厳を見せ、しっかりと3回戦に進んだ札幌は、今月24日に行われるJ3長野とJ1京都の勝者と5月22日に対戦する。
■25歳初戦で先制点となるプロ初ゴールをマークしたMF田中宏武
「ラストチャンスぐらいの気持ちで挑んでいたので、チームが勝つことが最優先でしたけど、結果を残すというところを強く意識して入ったので、ゴールという一番良い形で終われて良かったです。(15日に誕生日を迎え)上々の滑り出しだと思います。飛躍できるように頑張ります」
■Jリーグデビューを果たした札幌U-18DF坂本勘汰(17)
「緊張はあまりなかったけど、いつも見ている光景と全部が違いすぎて、ピッチに入った瞬間は結構、驚きの方が強かったです。対人の強さとアグレッシブさが武器だと思っています。常に練習から向上心を持って取り組むタイプなので、一生懸命なところを見てほしいです」
■後半開始から途中出場し、故郷・沼津で凱旋出場したMF長谷川竜也(30)
「良かったけど、ちょっと難しいゲームでしたし、個人として納得いくものではなかったです。(選手紹介時の大きな拍手は)地元ならではですし、うれしい気持ちでいっぱいでした。幸せな気持ちでした」