西川、大田、秋吉が自由契約「ノンテンダー」で国内外自由に交渉可能に
西川放出も…。日本ハムは16日、海外フリーエージェント(FA)権を取得している西川遥輝外野手(29)、国内FA権を取得している秋吉亮投手(32)、大田泰示外野手(31)に対して来季の契約を提示せず、保留手続きを行わないと発表した。3選手は自由契約選手として公示され、海外を含めた他球団との交渉が可能になる。ビッグボスこと新庄剛志新監督(49)の下、生まれ変わろうとしているチームに衝撃が走った。
昨季は村田が再契約 稲葉GM「可能性閉ざすものではない」
新庄ビッグボスの下、新体制でスタートする2022年シーズン。実績十分の西川ら主力3選手が、チームを去るかもしれない。
球団がFA権を取得している西川、大田、秋吉の3選手と協議。稲葉GMは「来季以降のプレー環境について協議した結果、選手が取得した権利を尊重し、ノンテンダーとすることを選択しました。選手にとって制約のない状態で、海外を含めた移籍先を選択できることが重要と考えた結果です」とコメントを発表した。
「ノンテンダー」とは主にメジャーで用いられる用語で「契約の意思表示せず」という意味を持つ。3選手は契約保留選手名簿から外れ自由契約となり、国内外の他球団と自由に交渉が可能となる。
同GMは「昨年も、ノンテンダーの村田透投手と再契約した例があるように、ファイターズとの再契約の可能性を閉ざすものではありません」ともコメント。昨オフに自由契約選手となり、年俸2400万円減の1600万円プラス出来高(金額は推定)で再契約した村田の例を挙げたが、長年チームを引っ張ってきた主力選手を放出となれば大きな衝撃だ。
今季11年目の西川は、実力と人気を兼ね備える中心選手。昨オフにはポスティングシステムを利用してのメジャー移籍を目指したが、かなわなかった。今季は海外FA権を取得し、3年ぶり4度目の盗塁王のタイトルを獲得。すでに米挑戦の思いは封印しており、国内で移籍を模索することになりそうだ。
16年オフに巨人からトレードで加入した大田は、日本ハムでその才能が開花。外野のレギュラーをつかむも、国内FA権を取得した今季は76試合に出場して打率.204、3本塁打、20打点と苦しんだ。18年オフにヤクルトからトレード移籍した秋吉は、今年8月に国内FA権を取得。移籍1年目の19年は25セーブを挙げるなど守護神を担ったが、今季は10試合の登板にとどまっていた。
10年間指揮を執った栗山監督が退任し、ビッグボスこと新庄監督が就任。変革の時を迎えたチームで、3選手はどのような決断を下すのだろうか。
主力の放出、過去には糸井、八木らがトレードに
日本ハムはこれまでにも主力選手を放出し、ファンを驚かせてきた。
2013年1月には前年まで4年連続で打率3割をマークしていた中心打者の糸井と06年の新人王左腕・八木を、オリックスの木佐貫、大引、赤田と2対3でトレードした。
16年11月には巨人と2対2のトレードが成立。12年のパ・リーグMVP左腕・吉川を石川慎とともに移籍させ、巨人からは大田と公文が加入した。
さらには今季、チームメートへの暴力で無期限出場停止処分を受けていた主砲・中田を巨人へ無償トレード。チームの顔であっても、状況によっては手放す姿勢を貫いている。