育成出身の福島蓮 上々デビュー5回2失点 新庄監督も高評価 次回も1軍で
■パ・リーグ4回戦 ソフトバンク4ー4日本ハム(4月17日、エスコンフィールド北海道)
支配下登録から34日 堂々のプロ初登板初先発
育成ドラフトで入団し、今年3月に支配下契約を結んだ日本ハムの福島蓮投手(20)が17日、プロデビューを飾った。
エスコンフィールド北海道で行われたソフトバンク戦に先発し、5回2失点。勝ち負けは付かなかったが、長身から投げ下ろす直球を武器に存在感を示し「いつもよりは緊張して入ったけど、楽しめました」と声を弾ませた。
立ち上がりに失点 強力打線からプロの洗礼
先制パンチを食らっても、ひるまなかった。立ち上がりの一回2死。柳田に中前へ運ばれ、山川に四球を与えて一、二塁のピンチを招いた。いきなり訪れたヤマ場で、近藤、栗原に続けざまの適時打。ソフトバンクの中核を担うビッグネームたちから洗礼を浴びた。
発想の転換で立ち直った二回以降
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だが、二回以降は持ち直した。磨いてきた直球を信じて、伏見のリードを信じて、腕を振った。
「中学、高校の時にテレビで見ていた選手たちだった。楽しんで投げるしかないと。怖かったですけど、ビビっていても仕方ない」。一流打者の圧に屈することはなく、3点目を与えなかった。
チャンスをつかんだ20歳右腕を指揮官も絶賛
新庄監督は試合後、福島の好投を高く評価し、次回も1軍で先発させる意向を示した。
当面、間隔にゆとりを持たせ、球数を制限しながら投げさせる方針だ。高卒3年目右腕は、自らの手でチャンスをつかんだ。
アマ時代から自らを客観視
野球人生を左右する分岐点は、アマチュア時代にもあった。八戸湊中の卒業を控え、進路を決める時、実家からは離れた青森市の強豪私立高から誘いがあった。自らの力量を冷静に分析し「試合で投げたいのもある。同い年にU15のジャパンに選ばれている選手がいて(強豪校に進むことが決まっていた)。エースになれないじゃないですか。だったら地元で」と八戸西高進学を決断した。
どのような環境に身を置くことがベストか、考えて出した結論が、プロ入りの夢につながっていた。
力強く確かな一步 さらなる飛躍へ「今できるベストを」
育成の2年を経て、2ケタ背番号を受け取った今季が、本当のスタートだ。福島自身も「ここは通過点だと思う。もっともっと成長していけたら」と浮かれた様子はない。
次の目標にも触れ「勝てればいいですけど、それは勝手に付いてくるものだと思っている。今できるベストを出せれば」と願いを込めた。本拠地のファンの前で投じた72球には、将来性を感じさせる魅力がたっぷりと詰まっていた。