MF小林祐希の2ゴールでJ3沼津を下し、ルヴァン杯3回戦進出
■Jルヴァン杯2回戦 沼津1-3札幌(4月17日、静岡・愛鷹広域公園多目的競技場)
次戦は長野と京都の勝者
MF小林祐希(31)の2ゴールなど3得点を挙げた北海道コンサドーレ札幌が、J1クラブとしてのプライドを見せ、札幌OBでもある中山雅史監督(56)率いるJ3沼津を下して次戦へと駒を進めた。3回戦は5月22日に開催。今月24日に行われるJ1京都とJ3長野の勝者と対戦する。
今年からルヴァン杯はレギュレーションが変更となり、J1からJ3までの全60クラブが参加する大会へと変貌を遂げた。1stラウンドとして行われる1~3回戦は、下位カテゴリーのチームのホームスタジアム(※同一カテゴリーの場合は前年の年間順位が下のチームのホームで開催)での一発勝負となった。
田中宏のゴールで先制も同点に
2カテゴリー下の沼津相手に順当に勝利を収めたい札幌は、前半10分にMF田中宏武(25)のプロ初ゴールで先制に成功し、1-0で前半を折り返したものの、後半9分にカウンターから沼津に同点ゴールを決められてしまう。
小林が嫌なイメージを払拭「時間帯も良かった」
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沸き立つホームサポーターの熱気に〝ジャイアントキリング〟という嫌な文字が頭をよぎったが、そんなムードを一瞬で吹き飛ばしたのが後半開始から途中出場した小林だった。同10分、左ウイングバックのMF原康介(18)からのパスを受けたMFスパチョーク(25)が、ペナルティーエリア内で相手を1人交わしてフリーになり、中央の小林へマイナスのクロスを送る。小林は左足のダイレクトシュートで沼津ゴールへと流し込み、同点ゴールからわずか1分で再度の勝ち越しに成功した。
「取られた後で、すぐ取り返すことに越したことはないので。時間帯も良かったし、チームとして狙ったゴールではないかもしれないけど、個で取れるなら一番良いんじゃないですか。チェック(スパチョーク)があそこまで運べたのがでかかった」と得点の場面を振り返る。
追加点はループシュートで
そして勝利を大きくたぐり寄せる3点目のゴールも小林の左足から生まれた。同15分、札幌陣内で相手のパスが乱れてルーズボールになると、小林が前線から降りてきてボールに寄せ、自身の左側にいたスパチョークへダイレクトでパスを出す。ボールを受けたスパチョークは相手を3人引き連れながらドリブルでペナルティーエリア内へ進入するが、直後に急停止して後ろを向き、背後にいた小林へパス。小林が放ったループシュートがきれいな弧を描いて沼津ゴールへと吸い込まれた。
「練習でトライしているシュートなので、イメージの中には毎回ありますけど、それがうまく行ったという感じですね。そんなたいしたことじゃないです」
いずれの得点後も札幌ゴール裏の応援席へと駆け寄った。「自分の内側から出てきたものがそのまま出ているだけ。そのときの自分の感情で動いているだけなので」と、ゴールの瞬間によぎった素直な感情で札幌サポーターと歓喜を分かち合った。
結果を出す準備を全員でしている
無事にルヴァン杯3回戦進出を果たした札幌には、中2日というタイトな日程で現在リーグ2位につけるホーム広島との一戦(20日、札幌ドーム)が控えている。「(試合に)出たときに結果を出せる準備をみんながしているよ、というのは今日の試合で全員が見せられたと思う」。次もチーム一丸の総力戦で挑み、浮上のきっかけとなる勝利をつかみ取ってみせる。