ファイターズ
2024/04/19 21:30

《ハム番24時》4月19日

 鎌ケ谷が、台湾対決に沸いた。19日の2軍オイシックス戦は、孫の日本デビュー戦。先発マウンドに上がり、最初に対戦したのは、相手の1番打者として起用された同郷の大先輩・陽岱鋼だった。結果は一ゴロに終わったが、球場には両者をたたえる大きな拍手が鳴り響いた。

 実は、1週間前から〝計画〟は動き出していた。稲葉2軍監督は、12日の同戦で新潟を訪れた際、オイシックスの橋上監督に、孫が1週間後に先発でデビューすることを打ち明け「陽岱鋼を、(孫と確実に対戦する)1、2、3番で起用していただけませんか」と直談判。かつてヤクルトでともにプレーした7歳年上の敵将から「分かりました」と快諾をもらっていた。

 試合後、指揮官は「台湾の方たちも注目してくれていたでしょうし、(橋上監督が陽を)1番で使ってくれて、この2人の対決ができたので、良かったんじゃないですか」と笑顔を見せ、「去年からずっと台湾で見ているけど、きょうも(ストライク)ゾーンの中に投げられていましたし、ストレートの球速もしっかり出ていた。ちょっとシュート回転が気になったけど、初めての登板としては素晴らしかったんじゃないですか。去年、台湾に見に行った時からすごかったもん。修正能力があるので、1球抜け球があっても、その次の球をしっかり投げられる。まだまだ球速も上がると思っているので、そこを目指していってほしい」と、期待に違わぬ快投を見せた右腕を称賛した。

 今後、孫は登板間隔を空けながら、じっくりと育成していく予定だという。「あした(20日)の状態を見ながら、次(の登板)はいつか決めていく。中9日とか、しっかり間隔を空けて、球数を増やしていくのか、イニングを伸ばしていくのか、少しずつやっていきます。夏場なんかは、向こう(台湾)では毎日、野球をやっていないでしょうし、どこかで疲れてくるかと思う。体の状態をしっかり見ながらやっていきたい」と、慎重に語る稲葉監督から、親心のような優しさを感じた。

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