《鶴岡慎也のツルのひと声》今季の大切さを重々承知している清宮
■パ・リーグ4回戦 ロッテ3ー4日本ハム(4月19日、エスコンフィールド北海道)
ホームランの力を再認識 大きかったレイエスの一発
劇的勝利を飾った日本ハム。まずはホームランの持つ力を再認識した。1―3の七回にレイエスが、打った瞬間に確信する特大の本塁打を放った。1点差に詰め寄る貴重な一発だったのは当然だが、球場の雰囲気をガラリと変えるインパクトがあった。そこから上川畑のヒット、水野の適時三塁打とつながっていった。
新助っ人の人間性も雰囲気一変の一助に
17日のソフトバンク戦。2点を追う延長十一回にマルティネスが起死回生の同点2ランを叩き込んだ。そこで、自分のことのように喜んでいたレイエス。そんな姿をチームメートは見ている。彼の人間性もベンチの盛り上がりを助長させていたのだろう。
硬さが消えた清宮の4打席目 さすがの一打
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
そして大きかった清宮の二塁打。九回に先頭で打席に立ち、サヨナラを演出した。けがで出遅れ、今季初の1軍出場だった。当然、2軍とは雰囲気は違う。緊張もあり、3打席目までは硬さが見られた。そこで迎えた九回の4打席目。甘い球を一発で仕留めるあたりはさすが。集中力も見事だった。
上々のスタート さらに状態を上げていくはず
清宮にとって今年は文字通り、勝負の年だろう。若手も育ち、チーム力も上がってきた。入れ替わりの激しいプロの世界。1人の選手に対する期待度は、年々減少していくもの。本人も今季の大切さを重々承知しているはずだ。そんな中、けがで出遅れた末に迎えた〝開幕戦〟だった。
実にいいスタートを切ってくれた。二塁へ向かう姿を見ても、負傷した左足に、もう問題ないだろう。次戦以降、さらに状態を上げてくれるはずだ。ゼロからレギュラーを奪いにいくつもりで、やっていってもらいたい。
強肩をあらためて見せつけた田宮
3試合ぶりにスタメンマスクをかぶった田宮にも触れておきたい。三回無死一塁で中村奨の二盗を阻んだシーン。(伸びてきたボールに対して捕球するミットが)差し込まれた中、見事に刺した。体勢を整えることが難しかったのだが、その場の腕の振りだけで力強いボールを送球した。肩の強さをあらためて見せつけてくれた。
楽しみな日本ハム 確実にアップしているチーム力
日本ハムのチーム力は確実に上がっている。今後の戦いも楽しみだ。