今季初昇格でサヨナラ勝利に貢献した清宮幸太郎 大切にしている〝幸せホルモン〟のパワーとは(一問一答付き)
■パ・リーグ4回戦 ロッテ3ー4日本ハム(4月19日、エスコンフィールド北海道)
〝開幕戦〟で劇的勝利を呼び込む一打
日本ハムの清宮幸太郎内野手(24)が19日のロッテ戦(エスコンフィールド北海道)で今季初昇格し、「7番・三塁」で即スタメン出場。同点の九回、先頭で迎えた第4打席で右翼線二塁打を放ち、劇的なサヨナラ勝利を呼び込んだ。
セロトニンで打つ!? 負傷出遅れにも負けず再出発
春季キャンプ直前に左足関節を捻挫し、3月中旬に実戦復帰。目標の開幕1軍メンバー入りは逃したが、ポジティブに前だけを向いて2軍で調整してきた。そんな清宮が心がけてきた「セロトニンで打つ」とは―。
稲葉2軍監督も感じた心の成長
4月上旬の2軍戦。チャンスで凡退し、ベンチに戻ってきた清宮は『感謝』という言葉を口にした。自身のふがいなさに、悔しさを爆発させたい場面。「どんな振る舞いをするのだろう」と見ていた稲葉2軍監督は、その姿に成長を感じたと話す。
口にした『感謝』の意味とは
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『感謝』の意味を、本人は照れながら明かす。「凡退して、すごく内容も良くなくて。切り替えたくて。いっぱい後輩たちがいる中で、貴重な打席をいただいているので。あとはけがした時とか、そういう感謝の気持ちをパワーに変えられたらと。めっちゃカリカリしそうだったので、我慢して。良くない時はプラスに考えられるようにしています」
プロ7年目を迎え、年下の選手も増えた。けがを経験し、プレーできることは幸せだと、あらためて知った。だからこそ、怒りをぐっとこらえて、前向きに振る舞ったという。
リハビリ時から意識していた神経伝達物質
幸太郎の名前にピッタリな神経伝達物質も関係している。「リハビリ中から心がけるようにしていました。ドーパミンではなく、セロトニンで打つです」。〝幸せホルモン〟の異名を持つセロトニンが分泌されると、脳の過剰な興奮や不安を抑え、心身ともにリラックスする効果があるとされている。
「ドーパミンは一時的というか快楽を求める。僕はそういうタイプではない。セロトニンは、ジワーと来る。親からの手紙とか持続性がある。それをうまく力に変えて。例えばですけど、亡くなったじいちゃん、ばあちゃんの顔を思い浮かべて打席に入るとか。そういうのがセロトニンパワーなんです。感謝の気持ちで打てましたみたいな」。『感謝』といった脳が喜ぶプラスの言葉を発するように習慣づけている。
〝4度目の正直〟で大仕事
復帰初戦となったこの日は、五回に遊ゴロ併殺に倒れるなど第3打席まで凡退。「納得できるような打席ではなかった」というが気持ちを切り替え、九回に今季初安打となる二塁打を放ち、チームのサヨナラ勝ちに貢献した。
力強く再出発 「ここからが勝負」
「まだ、ただの1試合なので。全然、今までいなかった分は取り返せていないので、ここからが勝負だと思っています」
7年目のシーズンは始まったばかり。セロトニンをバンバン分泌させて、清宮幸太郎がみんなを幸せにする。
◆以下、試合後の一問一答。
―九回、先頭の第4打席は、どんな気持ちで入ったか
「特別な感情とかなかったですけど、対ピッチャーというか、横山くんのイメージと、どうやったら打てるかっていうのを考えながら、打席に入ったっていう感じですね」
―久々の1軍戦はどうだったか
「やっぱりファンの皆さんの声援が、こんなに力になるんだなって、あらためて感じましたし、今までけがしてたくさんの人に支えていただいたんで、その感謝の気持ちもすごく感じました」
―どの場面で感じた
「最後、打った時ですかね。代走で(中島)卓さん出てきて代わりましたけど、その時の歓声とか、すごくうれしかったです」
―サヨナラ勝利に貢献できた
「まあ、ちょっとピースになれたかなっていう感じが分かりやすい試合だったので、少しですけど、貢献できて良かったかなと思います」
―今季初昇格して、チームの雰囲気はどうか
「本当にみんなすごい声を出してますし、こっからこっからみたいな。本当にすごく選手間で声が出てるなあって感じました」
―二回、ネクストバッターズサークルに歩いて行く時、笑顔だった
「最初の打席ですよね。僕、忘れていて。ネクストに入るの。(上川畑)大悟さんの後だと思っていたので。遅れた? そうっす。僕、ずっとベンチの一番前で待っていて。そうしたら、おまえネクストだぞ、みたいに言われて。マジっすかと」
―苦笑いだった
「そうです。あ、やべーみたいな」
―気持ちが引き締まったか
「僕は逆に集中していた。考えていたので、どうやって打とうかなと。打順はちょっと、7番で慣れないところだったので。別にぼーっとしていたわけではないですけど、勝手に大悟さんの後だと思っていたので。忘れていましたね。こんなこと(過去に)ないんですけどね」
―練習の時、新庄監督からはどのような声かけがあった
「ボール球は振らないでね、みたいな感じでした」
―チームは貯金1
「そこに関しては今、ここにいるみんなの力なので。本当に勢いを止めないように、逆にもっと僕が乗せるぐらいで。遅れましたけど、先頭に立っていきたいですね」
―復帰初戦で安打が出てホッとした
「それはそうですね。それまでの3打席が納得できるような打席ではなかったので、1つ出たのは良かったですね」