一山本瞬く間4秒で白星「きょうは良い相撲でした」
大相撲九州場所3日目は16日、福岡国際センターで行われ、西十両4枚目の一山本(28、岩内出身=二所ノ関)が勝ち星を先行させた。西5枚目の錦木(31、伊勢ノ海)を突き出しで下し、2勝1敗とした。西十両9枚目の旭大星(32、旭川出身=友綱)は西8枚目の美ノ海(28、木瀬)に寄り切られて1勝2敗となった。
これぞ一山本の真骨頂だ。低く当たって一気に錦木を突き出した。わずか4秒で元幕内の実力者を撃破。得意の突き押しで2勝1敗と勝ち星を先行させた。「きょうは良い相撲でした」。本人も納得の内容だった。
自信はあった。前日、千代ノ皇(30、九重)にはたき込みで敗れたが、終始、攻めていた。初日は錦富士(25、伊勢ヶ浜)に快勝。「しっかりと前に出られている」と3日目も迷いや不安は皆無だった。対錦木もこれで3勝0敗。相性も良かった。
“厄払い”も済んだ。2年前の九州場所。初日の取り組みで左膝を負傷した。半月板を損傷し、手術を余儀なくされた。その影響で一時、幕下の下位まで番付を落とした。そこからはい上がってきた。
昨年はコロナ禍ということで、11月場所は東京開催だった。2年ぶりの九州開催。紫色のまわしを締め、土俵に上がっている。「2年前にけがをしてから、(紫のまわしを)つけてなかったんです。ここまで良い相撲が取れている。悪いイメージは払しょくできた」。再入幕への道のりを力強く歩んでいく。
旭大星寄り切られ2連敗
立ち合いは悪くなかった。それでも旭大星は美ノ海に寄り切られ、「(突きを)いなされてしまった。それが敗因かな」と唇をかんだ。本調子には、ほど遠い。左膝を痛め、9月の秋場所を途中休場。本格的な稽古再開は今月に入ってからだった。「少しずつ、(相撲の)感覚も戻ってきている」。まだ3日目。巻き返す時間は十分に残されている。