北山亘基が9回7Kでプロ初完封 奪三振数を争う伊藤大海からもらった2年越しの初勝利祝いは〝勝利の美酒〟
■パ・リーグ5回戦 ロッテ0-2日本ハム(4月20日、エスコンフィールド北海道)
日本ハムの北山亘基投手(25)が20日、ロッテ戦(エスコンフィールド北海道)でプロ初完投を完封で飾り、今季2勝目を挙げた。「僕がプロの世界で目指すべき姿が、初回から九回まで1人で投げきるピッチャーになることだった。それが今回達成できたのはすごくうれしいです」。昨季から先発に転向し、プロ3年目で一つの目標をクリアした。
昨季先発転向 一つの目標クリア
2点リードとなった九回。マウンドに向かう北山を後押しするように、自身の登場曲「Believer」が再演奏された。球場のボルテージが最高潮に達する中、「やってやるぞ」と決意。危なげなく2死を奪い、最後は代打・角中を152キロ直球で空振り三振に仕留めた。力強くガッツポーズ。「シンプルに最後、三振で抑えたらかっこいい。憧れというか、かっこよく抑えたいなっていう、ただの自己満足です」と照れた。
奪三振数争い さあ現状はどちらがリード?
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最後の最後に、この日7個目の奪三振をマーク。開幕投手を務めた伊藤との争いで一歩リードした。2学年上の右腕とは、最近こんな話が出ている。「今、奪三振数を勝負するという話をしているんです。僕より格上の選手ですけど、一緒に切磋琢磨しながらやらせてもらうポイントを大海さんがつくってくれているのでありがたいです」
前日19日に先発した伊藤は「僕の方が先に投げるので」と余裕を見せていたが、ここまで4試合に登板して奪三振数は「26」。登板数が1試合少ない北山が1個上回り、シーズン序盤から白熱した勝負を繰り広げている。
まだ「もらってないですよ~」とおねだり
奪三振数を争う2人は、仲を深めている。今年に入り、伊藤が北山へ〝2年越しの初勝利祝い〟を贈った。プロ1年目の22年に中継ぎでプロ初白星を挙げたが、当時はコロナ禍。食事に行き、交流を図る機会もなかった。後輩右腕は「ずっともらえずじまいで『大海さん、初勝利もらっていないですよ~』とちょくちょく言っていたんですよ」と心待ちにしていた。
「勝った時に飲んで」と高級ウイスキー『響 BLOSSOM HARMONY』を手渡され、たしなむ程度だが、ウイスキー好きの北山は大感激。早速、開栓し「ウイスキーはロックですよ。ハイボールするにはもったいない」と〝勝利の美酒〟を味わった。
「ウイスキーはロックですよ」
そんな背番号57がチーム完投&完封一番乗り。〝ライバル〟の快投に、負けず嫌いのエース伊藤が燃えないはずがない。2人が切磋琢磨していけば、日本ハムの未来は明るい。