札幌GK菅野孝憲がビッグセーブ連発! 被シュート18本も2位・広島相手に耐えてつかんだ〝価値点1〟
■J1第9節 札幌1―1広島(20日、札幌ドーム)
広島からシュート18本浴びる
前節終了時点で2位に付けていた広島に18本ものシュートを浴びせられながらも最少失点で切り抜け、貴重な勝ち点1を手にした北海道コンサドーレ札幌。得失点差の関係で再び最下位転落とはなったが、これでリーグ戦3試合連続で負けなし。開幕直後のスランプを脱し、春の訪れとともにチーム状態は確実に上昇中だ。
この一戦で好セーブを連発し、MVP級の活躍を見せたのがGK菅野孝憲(39)だ。札幌先制後の前半18分、スルーパスに反応し、ペナルティーエリア内に進入したMF松本泰志(25)のシュートを両手でブロックし失点を防ぐと、同26分にはこの試合のハイライトとも言えるシーンが訪れた。
前半26分、衝撃的ビッグセーブ
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自陣でボールを奪われ数的不利の局面を迎えると、ペナルティーエリア内でフリーになった広島FW加藤陸次樹(26)に決定的なシュートを撃たれるが、これを菅野が体に当ててビッグセーブ。こぼれ球を再び加藤に狙われるが、菅野はここでも横っ跳びで反応し、左手に当ててボールをペナルティーエリア外へはじき出した。「最初のシュートは、僕の間としてはちょっと遠いかなと思ったんですけど、後ろに菅(大輝)がカバーに来ているのが分かったので、左重心で対応して。いいところに(シュートを)弾けたので、セカンドボールは自分の間合いでスムーズに対応できたと思います」と、殊勲の場面を振り返る。
失点後はさらに守備意識を高め
札幌は後半5分に同点ゴールを許し、その後も広島の猛攻を受け続けるが、「失点してしまった後も崩れない、ズルズルいかないようにと声掛けをしていました」と守備意識をさらに高めた菅野ら守備陣が追加点を許すまいと奮闘。後半43分には開幕からフルタイム出場を続けてきた守備の要、DF岡村大八(27)が腰を痛めてピッチを退く緊急事態にも動じることなく、最後までゴールを割らせずにドローへ持ち込んだ。
「ポジティブに捉えていい」
終わってみればシュート数は札幌の4本に対し、広島はその5倍近い18本。ホームゲームとはいえ、無敗で2位に付けるチーム相手に耐え抜いてつかみ取った価値ある勝ち点1。菅野も「ポジティブに捉えてもいいと思います」と前向きな評価を口にする一方、「けど緊張感を持つためにも(勝ち点)2を失ったんだという意識、もっともっとやらなくちゃいけないという意識で1人1人が向き合わないといけないのかなと思います」と、チーム全体の引き締めを図る。
次節は湘南と〝6ポイントマッチ〟
次節は同じ勝ち点6で18位の湘南をホームに迎えての一戦(27日、札幌ドーム)。シーズン序盤ではあるものの、今後の行方を占う重要な〝6ポイントマッチ〟となる。「相手がどこであろうが関係なく、僕たちは自分たちのサッカーをして勝ち点3を皆さんと一緒に喜びたいと思います」。プロ22年目を迎えてもなお衰えることを知らないパフォーマンスを発揮しつづけている背番号1が、1週間後の札幌ドームで歓喜の瞬間を迎えてみせる。