攻守で良妻 田宮裕涼 「継続しか力にならない」と試合中に書き続ける〝ゆあノート〟
■パ・リーグ6回戦 ロッテ0-5日本ハム(4月21日、エスコンフィールド北海道)
日本ハムの田宮裕涼捕手(23)が21日、ロッテ戦(エスコンフィールド北海道)に「7番・捕手」で先発出場。打っては四回に中前適時打を放ち、守っては先発の加藤貴之投手(31)を今季初勝利に導いた。「きょうは特に加藤さんを勝たせる、絶対勝ちたいなという気持ちでやっていました」とニッコリ微笑んだ。
2試合連続で完封リード
前日20日には北山のプロ初完封をアシストし、2試合連続となる0封リード。巧みな配球を見せたが、「僕がうまくリードしたというより北山さん、加藤さんがいいボールを投げてくれたから抑えられたのかなと思います」と謙虚さを忘れない。
エスコン初のお立ち台で赤面絶叫
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貴重な追加点となる適時打をマークするなど投打で活躍し、初めて本拠地・エスコンフィールド北海道のお立ち台にも上がった。ヒーローインタビューでは〝締め〟のあいさつを任され、「5連勝に向けて最亘基(さいこうき)しましょう!」と絶叫。「バカなことしました。どうすればいいか分からなくなった結果、北山さんの最亘基(さいこうき)を使ってしまいました。野球するのは緊張しなけど、大勢の前で話すのは緊張するんだなと思いました」と照れくさそうだった。
2軍時代から継続するルーティン
プロ6年目の今季は開幕スタメンマスクを勝ち取り、ここまでキャリアハイの15試合に出場。投手に寄り添ったリードが評判の田宮には、2軍時代から継続するルーティンがある。昨季まで3年間、ファームのバッテリーコーチを務めていた山中潔2軍捕手インストラクター(62)から口酸っぱく言われたのが「継続しか力にならない。継続はではなくて、継続しか力にならない」だった。
その一環として、3年ほど前から試合中にベンチで配球ノートをつけている。提案した山中2軍捕手インストラクターは「彼は今でもベンチでノートをつけている。あれはファームの時から続けていること。人間は忘れるので、結果、入り球、最終球、最低でもそれだけはつけないといけないよと言ってきました」と明かす。
今シーズン前に新調してもう4冊目
今シーズン前に新調したというノートは4冊目。守備から戻ってくるたびに、ベンチでペンを走らせる。「守って(ベンチに)帰ってきたらすぐ書いて(その回の)1打席目に回ってきたら、バンと書いてちょっと遅れ気味に入っています」。この日も一回を無失点で切り抜け、メモをとる田宮の姿があった。
ゆあビームは右投げ 実はペンは左利き
ちなみに〝ゆあビーム〟と呼ばれる右投げの強肩が武器だが、ペンは左利き。「親が右に持ち替えても、左に持ち替えたみたいです」。シーズンはまだ序盤戦。1軍の舞台での経験を積み重ね、〝ゆあノート〟を埋めていく。