今季初スタメンの中島卓也 ダメ押し打&美技 新庄監督も絶賛「引っ張っていってもらいたい」
■パ・リーグ6回戦 ロッテ0-5日本ハム(4月21日、エスコンフィールド北海道)
日本ハムの中島卓也内野手(33)が21日、ロッテ戦に「9番・二塁」で出場。四回に適時打を放ち、今季初打点を挙げた。プロ16年目のベテランは、円熟味を増したプレーで攻守に存在感を発揮。同一カード3連勝に大きく貢献した。
「加藤(貴)に勝ちを付けたいと思っていた」
巡ってきたチャンスを、きっちり生かした。今季初のスタメン出場に「加藤(貴)に勝ちを付けたいと思っていたので、まずは守備から入ること。しっかり集中して、自分のプレーをしようと思っていた」と静かに闘志を燃やしていた。
打線の勢いに乗って中前適時打
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バットでの見せ場は四回2死一、三塁の第2打席だ。大量点を獲得した打線の流れに乗り、中前適時打でダメ押し点を叩き出した。職人肌の背番号9は、今季初タイムリーを「打線に勢いがあったので、そのまま打たせてもらったような打席でした」と、どこまでも謙虚に振り返った。
スタメン起用の意図「38球ぐらい粘ってくれるかな」
培ってきた技術は、色あせない。若手時代から続ける打席内でのアプローチは、いつだって相手の脅威となる。新庄監督は、スタメン起用の意図を「種市くんは良い投手なので、中島くんが38球ぐらい粘ってくれるかな」と冗談交じりに説明した。
追い込まれてからの粘りを真骨頂とするが、チャンスでは積極的に打って出る。待球と早打ちを使い分けるスタイルが、相手投手に心理的プレッシャーを与える。
「チャンスでは、しっかり打ちにいきますよ」
中島は「(16年目も)ベースは変えていない。最近は田宮が良い粘りをしているので、ああいうのを見ると僕もやろうかな?ってなるけど、粘るのは追い込まれてからの話。チャンスでは、しっかり打ちにいきますよ」と不敵な笑みを浮かべた。
勝利に必要なプレーを心得る男は、守備でも3併殺を完成させるなど、華麗な技でファンを魅了した。守り勝つ野球を掲げるチームに、そのプレースタイルはよくフィットする。指揮官は「彼は優勝経験がある選手。今後もスタメン起用はある。後輩たちに経験を教えていきながら、引っ張っていってもらいたいですね」と強い信頼を言葉に乗せた。
酸いも甘いも経験し、数々の成功を収めてきた。経験豊富な男には、台頭する若手とは異なる魅力がある。
勝利に貢献するためにプレーする
中島は「これからもどんな形で試合に出るか分からないけど、勝利に貢献するためにプレーするのが一番。きょうは5対0だったけど、もっと緊迫したゲームでも自分のプレーができるように」。いぶし銀の輝きが、若いチームに落ち着きを与える。