江越大賀 プロ初二塁で出場「めちゃくちゃ緊張しました」 起用を指示したのは…
■イースタン・リーグ6回戦 オイシックス0-9日本ハム(4月21日、鎌ケ谷スタジアム)
まさかのセカンド・江越だ。日本ハムの江越大賀外野手(31)が、プロ入り後初めて二塁で起用された。1つの飛球と2つのゴロを処理し、悪送球で1失策を犯したが、九回までフル出場。カバーリングや遊ゴロの際の二塁封殺など、慣れない動きをそつなくこなし、能力の高さを見せつけた。打っては六回に2号ソロを放ち、1軍再昇格へ気を吐いた。
二塁守備は中学校、軟式野球の時にやったくらい
「(二塁守備は)中学校、軟式野球の時にやったことがあるぐらい。プロに入ってからは初めてだったので、めちゃくちゃ緊張しました」
先発・根本に「練習はしてきたから」
プロ10年目で、新境地を開拓した。先発の根本に「練習はしてきたから」と声をかけ、プレーボールから二塁の位置に就くと、頭を整理し打球を待った。試合序盤はなかなか守備機会が訪れなかったが、五回に力のない飛球を捕球。〝二塁手〟としての1アウト目を奪った。
とはいえ、内野守備は甘くない
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しかし、内野守備は甘くない。七回、阪神時代のチームメート・高山が放ったゴロを捕るも、「(打球に)反応しすぎて、ちょっとさされて(上体が)浮いた状態で投げてしまった」と送球がそれて出塁を許し、失策が記録された。それでも気持ちを切り替え、八回には田中のゴロを軽快にさばいた。
谷内コーチのグラブ LINEで「お借りします」
数日前に二塁で出場する可能性があることを伝えられ、準備を進めてきた。内野手用のグラブは、「谷内(1軍内野守備走塁)コーチのものです。グラブをお借りしますとLINEしたら、『良いでしょう』と返ってきました」と、二遊間の守備に定評があった先輩から拝借。「自分の中でも、(二塁を)守れるようになったらすごく幅が広がると思うので、やるからにはしっかりやりたい」と、新たな挑戦を前向きに受け止めている。
稲葉2軍監督が明かす起用の経緯
稲葉2軍監督は、江越の二塁起用について「ボスが江越をセカンドで使っておいて、という感じだったので。ボスの指示です」と、新庄監督からの要望があったことを明かした。内野の難しさは承知の上で、「本人に挑戦する意欲がある。2日前ぐらいに(二塁で起用すると)言ってから、外野用のグラブをしているところをほとんど見ていない。ずっとセカンド用のグラブを持っていた。外野から内野をやることで、いろんな野球を覚えられるし、何かプラスになってくれればいいと思いますね」と期待を寄せた。
現在、二遊間を本職とする選手の多くが1軍メンバーに入っているため、2軍は内野が手薄な状況だ。稲葉監督は「内野が少ないので、連戦が続くと、(江越を二塁で使う)可能性が出てくると思う。外野も内野もどっちもやってもらおうと思っています」と今後の起用法に言及した。
守備とバッティングは別 2号ソロで証明
今季は開幕1軍に入るも、2打席に立って2三振と結果を残せず、8日に2軍降格となった。再昇格には打撃でのアピールも求められるが、この日は六回の第3打席で右翼へ2号ソロをマーク。初体験の内野守備に集中力を割かれる中で、「守備とバッティングはしっかり別で考えていました」と豪快な打球を飛ばした。
新庄監督からの〝二塁守備指令〟は、期待の表れ。鎌ケ谷で新しい景色を見た31歳は、まだまだ成長途上だ。