根本悠楓 6回2安打無失点で再出発「前に進むしかない」
■イースタン・リーグ6回戦 オイシックス0-9日本ハム(4月21日、鎌ケ谷スタジアム)
悔しさを抱えながら、再び走り出した。日本ハムの根本悠楓投手(21)が、先発で6回を投げ、2安打無失点と躍動した。1軍で今季初先発した14日のオリックス戦(京セラドーム)では、2回3失点5四死球と制球を乱したが、この日は四死球「0」。何度も自分を責めた〝後悔の夜〟を乗り越え、白老出身の左腕がリベンジの舞台へと進み始めた。
大乱調からの大変身
大乱調から1週間。鎌ケ谷のマウンドに上がった根本は、別人のように快投した。得意のスライダーは「きょうはあまり頼らずに」と普段より割合を減らし、代わりにフォーク、チェンジアップを有効に使った。6三振を奪い、二塁を踏ませない圧巻の内容。それでも、「まあまあですかね。チェンジアップ、フォークも使えたので、そこは良かったです。継続してやっていきたい。でも、1軍に行ったら、フォアボールになっているような場面が何個かあったと思う」と納得はしていなかった。
メンタルやられた「もう少しできたべ…」
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2軍でいくら好投しようと、簡単に心は晴れない。それほど、大阪で味わった屈辱は大きかった。「久しぶりに、メンタルがやられました。 自分にイライラしてきますよ。もう少しできたべ…という感じで」。何とか気持ちを切り替えようと、オフだった登板翌日の15日はあえて野球から離れ、「学生の時の休日みたいな感じのリラックス感でいました」と心の回復に努めた。
14日の投球映像を「見たくないけど」チェック
シーズンは、まだ序盤。落ち込んでばかりはいられない。「その次の日(16日)から、またしっかりやりました。なかなか切り替えるのは難しいですけど、前に進むしかないので」と、すぐに野球に打ち込む日常に戻った。14日の投球映像を「あんまり見たくないけど、 見るしかない」とチェックし、「一塁側に上体が倒れていたので、上体を立たせて」とフォームを修正。「おととい(19日)のピッチング(ブルペンでの投球練習)は悪かったんですけど、きのう(20日)、ちょっとつかんだ」と徐々に感覚を取り戻しつつある。
なんで悪かったのか「しっかり考えて」やっていく
雪辱を果たすには、1軍で結果を残すしかない。「ファームで良くても、まだ全然不安はあります。普通にやれば良いのに、(1軍では)分かっていても、変に力んでしまうんですよね。ただ単にやってもダメなので、どういうふうにしたら良くなるか、なんで悪かったのか、しっかり考えてやっていければ。日々、考えてやりたい」と前を向いた。穏やかな性格に人一倍の〝負けず嫌い〟を隠す21歳は、苦い経験をバネに何度でもはい上がる。