ルール不適合の低反発バットは道内で140本配布 42本該当の札幌支部は抽選会場で回収開始
3本ずつ配布された新基準バットの中に規定外が混在
春季全道高校野球大会札幌支部(5月8日開幕、札幌円山ほか)の抽選会が23日、同市内の高校で行われ、基準外の低反発バットが回収された。今春の選抜甲子園大会から反発係数を抑えた新規格バットに完全移行し、日本高野連は4月上旬までに道内の加盟校に3本ずつ配布していた。
全国では3351本
しかし同18日、その中の一部メーカーのバットが安全基準に違反していることが判明。すでに全国に流通していた不適合製品は5社3351本で、道内10支部に配布されたのは140本だった。そのうち札幌支部では42本が該当。抽選会場では、全てではないものの該当したバットの一部が受付で回収された。
低反発で事故の軽減化が目的も、逆に高反発に
今回の新基準バットの導入目的は、打球初速を落とし、投手に当たって負傷する危険性や事故の軽減化などが挙げられていた。本来、新基準バット表面の厚さは約4ミリが規定だったが、不適合製品はそれより薄かったために逆に反発力が高いものになっていた。日本高野連は流通が判明した翌日の19日から練習や公式戦での使用を禁止し、回収作業を開始した。
5月5日からは空知支部が開幕
道内ではまだ公式戦で使用されることはなかったが、すでに多くの高校では練習時に使っている。この日の抽選会場では複数の指導者が現状で大きな混乱は起きていないと話したが、5月5日に空知支部で開幕する春季大会を前に回収作業は急務だ。
バットの再配布はまだ不透明
4月に札幌支部事務局長に就任した渡部弘幸教諭(65)は、「きょう持って来れなかった学校につきましては、春季大会が始まった時に持ってくるようにお願いしている」。ただ、回収したバットに換わるバットの再配布については、日本高野連から「まだ連絡が来てません」と話した。
高野連が配布したバット以外にも高校単位で購入したものに不適合製品が含まれている可能性はある。1本3万円台と、決して安価なものではないため、準備するには相応の費用がかかる。球春を待つ道内各校で早期の再配布が期待されている。