チームが複数得点できていない要因と改善するべき部分《河合CRC竜の眼》
札幌市北区と連携協定
株式会社コンサドーレとコンサドーレ北海道スポーツクラブは4月25日、札幌市北区と「北区の魅力あるまちづくり推進に係る連携協定」を締結した。今後は7月28日に開催される北区少年少女スポーツ大会への協力をはじめ、地域イベントへの参加、区民の試合招待企画など、北区との協力関係を深めて、スポーツを通じた活力ある地域づくりを推進していく予定だ。
トップチームやユースの練習場がある西区や東区、スタジアムがある豊平区や厚別区などに比べると、これまで北区とコンサドーレの接点はあまり多くなかった印象があるが、北区は札幌市の10区の中で最も人口が多く、学生や若い方がたくさん住んでいるというイメージもある。これを機会に多くの住民の皆さんにコンサドーレを知ってもらい、関心を持ってもらえるような取り組みをしていきたいと考えている。
広島に勝ち点1はポジティブ
20日のホーム広島戦(1△1)については、2位と好調なチーム相手に勝ち点1を取れたことをポジティブに捉えたい。試合前は正直なところ、苦しいゲームになると予想していた部分もあったので、勝ち点をよく取ってくれたなと思っている。
バイタルでのシュートの意識
前半10分に札幌がMFスパチョークのゴールで先制に成功した。この場面では、まずMF荒野が左サイドにいたスパチョークへ出した縦パスが良く、そこから縦に速い攻撃を仕掛けることができた。次に受けたMF浅野のパスが相手に引っ掛かるなど、決して意図した崩しではなかったとは思うが、バイタルエリアでしっかりとシュートを撃つという意識を持っていたことが、あの得点を生んだと思っている。強敵相手に先に1点を取れたというのは本当に大きかった。
今年40歳GK菅野は衰え知らず
そして、同じ前半の26分に飛び出したのがGK菅野のビッグセーブ2連発だ。広島FW加藤に立て続けにシュートを撃たれたが、1本目のシュートで見せた1対1の反応と、その後の2本目のシュートを防いだ俊敏性は、これぞ菅野というプレーだった。今年40歳になる菅野だが、そのプレーぶりからは衰えというものを全く感じさせず、普段からストイックにサッカーに取り組んでいることがあのビッグセーブを生んだと言えるだろう。
少しでも相手に寄せることが大事 非常にもったいない失点
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後半5分に同点ゴールを許してしまったが、非常にもったいない失点だった。CKのこぼれ球をMF青木のところでクリアできていればという思いもあるが、一番はシュートを撃たれたところ。しっかりとペナルティーエリアから出て、シュートを撃ってくる選手に対してプレッシャーをかけなければいけない。新潟戦の失点の場面もそうだったが、少しでも相手に寄せるということが改めて大事だと思わせるシーンとなった。
MF小林の献身的な動きが奏功
試合は多くの時間帯で広島ペースで進んだが、後半30分頃から少しずつ札幌もチャンスをつくれるようになってきた。その中心にいたのが後半開始から途中出場したMF小林だった。周囲の選手との距離感にすごく気を遣っていたし、フリーランのところでも自らアクションを起こして、スペースをつくる動きや、逆を取る動きをしていた。献身的なディフェンスを行っていたところも評価したい。
得点のチャンスを増やすために
直近のリーグ戦で3試合負け無し(1勝2分)と、一時に比べて状態が上向いてきた札幌だが、ここまでまだ複数得点を挙げた試合がない。原因はいくつか考えられるが、一つは攻撃を始める際、全体の重心が低いということ。自陣ゴールキックからの場合、トップの位置は選手同士の距離感を合わせるために低くしなければいけないのだが、今はそのトップの位置がセンターサークル付近手前になっている。これをあと10メートルぐらい前に設定できるようになれば、全体の距離感は少し長くなるが、そこに少しずつスペースが生まれ、ボールを運ぶこともでき、チャンスはもっと生まれてくるはずだ。
もっとボールを運べれば
今はビルドアップのところでボールを運べる選手があまりいないのも気掛かりだ。見ていると横に逃げるパスが多い気がするし、相手がFW2枚+サイドハーフでハイプレスに来て、数的同数をつくられてしまっている場面も見受けられる。ボールの運びがないとマークがずれることがないので、前線の選手も相手DFラインの背後を狙うことができない。そういう意味でもビルドアップの部分を改善していかないといけないと感じている。
18位・湘南と6ポイントマッチ
27日にはホーム湘南戦(札幌ドーム)が控えている。同じ勝ち点6で18位につける相手との6ポイントマッチと言うべき大事な一戦だ。湘南は元札幌のDF金眠泰がキャプテンを務めている。彼は前に強い選手なので、連係から3人目の動きで背後を取ることができれば対応しづらくなるはず。この試合を落としてしまうようなことがあれば、広島戦で得た勝ち点1の意味がなくなってしまうので、何としてでも勝利をつかみ取ってほしい。