道産子右腕の鍵谷陽平 同学年の中島卓也から刺激「タク、頑張っていますね」
5年ぶりに古巣復帰 ここまで2軍戦6試合で防御率1.42
育成契約で5年ぶりに日本ハムに復帰した鍵谷陽平投手(33)が24日、千葉・鎌ケ谷の2軍施設で取材に応じた。ここまでイースタン・リーグ6試合に登板し、防御率1.42。支配下復帰を目指す道産子右腕は「けがしたら終わり」と強い覚悟を胸に、一日一日を大事に過ごしている。
完全復活へ日進月歩
2軍での実戦登板を重ねながら、徐々に状態を上げている。「真っすぐのアベレージ、出力を上げるため、トレーニングでもう一回、強度の高い刺激を入れています。けがをして強度がガクッと落ちたので、リミッターを外す作業をしながら。ちょっとずつ平均が去年より上がっているかなと思うので、それをもう少し上げていければいいかなと思います」
表情が物語る充実のトレーニング
ランニングやウエートトレーニングを重点的に取り組む日々。「ウエートではセット数を多く、今までで一番の重りを持っています。そうすると自然と出力が上がってくるので、パフォーマンスにつなげながら、柔らかさも出しながらやっています」。その表情には充実感が漂っていた。
ここ数年は度重なるけがに苦慮
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2019年シーズン途中に巨人へ移籍。昨オフに戦力外となり、育成契約で日本ハムに戻ってきた。1軍での実績が豊富な右腕だが、ここ数年は右ふくらはぎ、左脇腹と度重なるけがに悩まされてきた。
「けがしたら終わり。けがをするときつい。けがだけはしないように体の状態を見ながら、しっかりやれるところはやってという感じです」と細心の注意を払う。
ベテラン内野手がいぶし銀の活躍 「さすがだなと」
同学年で仲が良い中島の存在も励みとなっている。シーズン直前に開幕1軍を滑り込みでつかみ、出場機会は決して多くないが、存在感を発揮している。
「タク、頑張っていますね。タクもここ数年、悔しいを思いしている。そういう意味ではギリギリで(1軍に)上がって、そこからいいところで一本打って。少ない機会をちゃんとものにしてやっている。意地があるというか、さすがだなと思いますね」
春季キャンプでも切磋琢磨
今年2月の春季キャンプはともに2軍・国頭スタート。「仲も良いですし、ずっとキャンプも2軍で一緒にいたので。そういうのはいい刺激ですね」。気心知れた間柄でもあるチームメートの活躍は、大きなモチベーションとなっている。
若手の手本に- 「そういう姿を見せてあげたい」
今年9月には34歳の誕生日を迎える。5年ぶりに古巣へ復帰し、20代が中心のチームではベテランと呼ばれる年になった。若い選手たちへ、これまで培った経験を少しでも伝えていきたいという。
自身が若手の頃は、武田久投手コーチ、巨人・矢野謙次1軍打撃コーチといったベテランの練習姿勢を見て学んできた。「僕がいた時は久さんがファームで調整したり、謙次さんがいたりして、そういうのを見てきた。僕のプレーを上げるのも一番ですけど、そういう姿を見せてあげたいなと思います」。若い選手の模範となれるよう、真摯に野球と向き合い続けている。
球団史に名を刻む〝道産子一番星〟 目指すはエスコンのマウンド
3月1日の教育リーグ・オイシックス戦では、本拠地・エスコンフィールド北海道で登板。鍵谷がマウンドに上がると、球場は温かい声援に包まれた。「エスコン、やっぱり良かったですね。投げやすかったし、ファンの人たちも盛り上がってくれたのでうれしかったです」
プロ1年目の13年には、球団の北海道出身選手として初の勝利投手となった。〝道産子一番星〟が光輝く姿を、みんな心待ちにしている。