レバンガ北海道がNBA渡辺雄太獲得競争に名乗り 折茂代表「アクションは当然起こしていく」
年俸3億でも「投資」と考えれば
B1レバンガ北海道が来季日本でのプレーを希望するNBA渡辺雄太(29)の獲得競争に名乗りを上げた。折茂武彦代表(53)は4月25日に札幌市役所で行われた同市北区との連携協定の会見後、「手は挙げます。挙げない理由がない」と明かした。
3億円ともうわさされている年俸については、「相当かかります。クラブの予算もありますが、投資っていうことも含めれば、お金は集められるのではないか」。これまでにない〝激アツ〟のストーブリーグ参戦を宣言した。
Bリーグ優勝経験は条件になく
渡辺は21日の帰国会見でBリーグでの優勝経験は条件に含まないことを明言している。今季のレバンガはすでに東地区7位が確定。折茂代表は「NBAで数年間やっていた、また日本代表でも、もちろん主力。彼のプレーを日本で見たい人がたくさんいることを考えれば、参戦しないクラブはほぼないんじゃないかな。やっぱり奥さんの意見も多分いろいろあると思うし、環境のことだったり、いろんなことが関わってくると思う」。
折茂、桜井が引退し、次なるスターは「獲らなきゃいけない」
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チームは2016ー17シーズンのBリーグ開始後、プレーオフに進めていない。ハードルが高いことは百も承知だが、これ以上ない大きなチャンスを指をくわえて見ているつもりはない。
クラブ創設14年目。新たなスターの獲得は必要不可欠だ。Bリーグとなってから日本代表に選出された選手は17年2月の国際強化試合に選ばれた道産子・西川貴之(32)のみ。長く人気をけん引してきた折茂代表が20年に引退し、今季限りでSF桜井良太(41)が引退する。
クラブが成長していく起爆剤
「B1に残留して、1回も降格せずにここまできた。で、Bプレミアに参戦する。なので、どのタイミングでスター選手を補強して、ビジョンを掲げながらやっていくのかは一つの課題。アクションは当然起こしていきます。誰かしら獲らなきゃいけないでしょうね。僕と桜井がスターだったっていうわけではないけど、そういった選手がいなくなるわけですから。もちろん各選手にファンがついてたりね、レバンガ自体を応援してくれている人はたくさんいるけど、やっぱりスター選手を獲るっていうことがクラブが成長していく一つの起爆剤や材料になっていく」。例え渡辺が獲得に至らなかったとしても、代表クラスの獲得は次のステップに上がるための戦略としては当然の流れだ。
田臥の帰国時は全試合満席
獲得できた場合の経済効果は計り知れない。折茂代表がトヨタ自動車時代の2008年に日本人初のNBAプレーヤー・田臥勇太(43)が帰国。栃木に加入した。
「(バスケットの)試合がどこでやってるか、いつやってるかなんて知らない時代にもかかわらず全試合満席ですから。渡辺はNBAや日本代表でもあれだけ活躍して、知らない人はほぼいないと思う。それを考えた時に、どうなるかって話ですよ。日本代表の富樫(勇樹、千葉J)が来ただけで、平日は立ち見になっちゃう」と、札幌開催の平日ホームゲームで過去最多6646人の動員を記録した23年10月25日の千葉Jとの試合を例に挙げた。
「それを考えたら、仮に(渡辺が)北海道に来たら多分すごいことになる」。観客動員やスポンサー獲得にも大きく寄与することは確実。日本が生んだ稀代のシューターが来季どこでプレーするのか、その動向に注目が集まる