プロ初先発の柳川大晟 155キロで筒香を空振り三振斬り「狙っていました」
■イースタン・リーグ4回戦 DeNA7ー3日本ハム(4月25日、鎌ケ谷スタジアム)
高卒3年目の育成右腕 4回1安打1失点で6奪三振
帰ってきたハマの主砲に、真っ向勝負で押し勝った。日本ハムの育成右腕・柳川大晟投手(20)がプロ初先発で自己最長の4回を投げ、1安打1失点6奪三振と好投を披露した。
5年ぶりに日本球界に復帰した筒香嘉智外野手(32)から155キロの直球で空振り三振を奪うなど、支配下昇格へまた一つ前進した。
出はなをくじかれるも耐えた
先発でも、あふれんばかりのポテンシャルを見せつけた。「ちょっと、いつもより緊張しました。食欲がなくて、ご飯少なめでした」 と、立ち上がりに四球、盗塁、左前適時打であっさり先制を許したが、崩れない。変化球を印象づける配球から、直球主体に切り替え、3、4、5番を3者連続三振に仕留めた。
切り替えには納得 「立て直せて良かった」
「(先発では)真っすぐばっかりじゃもたないと思ったので、変化球を使っていきたかったんですけど、初回はそんなに余裕がなかった。自分のクイックがあんまりで、盗塁もされたので、初回は本当に良くなかったんですけど、何とか立て直せて良かったです。最近あんまり三振が取れていなかったので、ちょっと良くなってきたかなという感じです」
狙い通りの奪三振 米国帰りのスラッガーを手玉
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圧巻だったのは、1死一塁でこの日4番に座った米国帰りの強打者・筒香を迎えた場面だ。「トップクラスの人なので、そこで三振が取れたら自信になりますし、三振に取りたいなと思って狙っていました」と、気持ちを高ぶらせて150キロ台中盤の直球を連発。カウント1―2から、渾身の155キロで狙い通り空振り三振を奪った。
十分な手応えに深まる自信
「一番、(気持ちが)入りました。前に飛ばされることもあんまりなかったので、真っすぐだけでいったら、今年で一番良かったかなという感じです」と確かな手応えをつかんだ。
2度目の対戦では筒香を一飛 予定通りに4回で降板
二回も先頭に四球を与えたが、後続をピシャリ。三回までに6三振を奪うと、四回には先頭で筒香と再戦し、ここも直球で一飛に抑えた。59球でこの日の上限だった4回を投げきり「体的にはそんなに(疲れは)感じなかったんですけど、4イニング目は決めにいった真っすぐをファウルされて決めきれなかった。最近、ピッチング(ブルペンでの球数練習)の球数を70球前後に増やしたんですけど、試合は全然、違いますね。これからもうちょっと、ピッチングで球数をこなしていきたいです」と次回登板を見据えた。
先発の難しさを実感 期するさらなる飛躍
初めての先発マウンドに戸惑いもあった。先発経験が豊富な松岡や根本から、準備の仕方を聞いていたが、試合前は「どうしたら良いか分からなくて、結構、余裕を持って準備したんですけど、早過ぎました。室内でいろいろやっていたんですけど、時間が余りました」と苦笑いした。
試合後には「1軍で先発やっている人のすごさを感じますし、もうちょっと変化球で勝負できるようにならないとダメかなと思っています」と実感を込めた。
プロ入り後初の立ち上がり失点 先発には前向き
もともとは守護神志望だった。プロ入り後、この日の一回に点を奪われるまで、登板1イニング目での失点は「0」。今もショートイニングには自信を持っている。
それでも新境地を切り開く先発挑戦に「投げていくたびにできることが増えている感じはあるので、成長している実感はある。いろいろ考えることもあって、楽しいです」と前向きだ。
目指すはもちろん支配下登録 課題は明確
高卒3年目の20歳には、無限の伸びしろがある。「先発だと、1イニングならごまかせていたことも、簡単にはいかなくなる。球自体は良い感じなんですけど、それを安定してコントロールできるように。イニングが進むと、真っすぐで仕留められなくなって、球数が増えるので、それでも仕留められるようにしたいです」と力を込めた。
このまま成長を続ければ、支配下昇格は時間の問題だ。