札幌6大学野球29日開幕 春3年ぶり頂点狙う北海学園大はルーキー4人が背番号ゲット
昨夏甲子園16強の北海トリオら即戦力新人
札幌6大学野球1部春季リーグ戦が4月29日に札幌円山で開幕する。2季連続優勝を狙う北海学園大は、昨夏の甲子園で16強入りした北海トリオら4人のルーキーが背番号をゲットした。
即戦力の1年生カルテットだ。42人の新入部員の中で入学早々背番号を与えられたのは、北海出身の長内陽大投手、小保内貴堂外野手、関辰之助内野手に加え、北海学園札幌出身の中倉楓太投手の4人。総勢151人の中から島崎圭介監督(52)は「小保内、長内、関は経験もあるし、少し練習を見た中でちょっと試したい。中倉はまだそんなに投げていないが、期待値も込めて」と背番号を与えた理由を明かした。
3軍制で選手に競争意識
昨年まで2班に分けて練習を行っていたが、今年からより効率化を求めて、1軍から3軍に組織。1軍は35人、2軍は40人程度、残るは3軍。紅白戦やオープン戦に出場できるのは1、2軍のみ。ルーキーは4人とも2軍。「上げたら下げる、上げ下げすることで刺激を与える。学生コーチたちと相談して決めました」。4人のうち関を除く3人が、すでにオープン戦で大学デビュー。14日の社会人野球・札幌ホーネッツとのオープン戦で、1回無安打2奪三振と結果を出した長内は、開幕ベンチの可能性も浮上している。
最速138キロ左腕の長内は、北海では一塁や左翼と兼任していたが、大学では投手一本。「投手に専念することで、高校時代にできなかったことが、オフにできている」。高校ではメディシンボールやチューブを使ったトレーニング時間にノックを受けていたが、そこから解放され「充実して練習はできている。4年間で球速を上げたい。(計測機器の)ラプソードもあるので、回転数にこだわりたい。4年の時は自分が引っ張る側に立って、神宮や上を目指したい」と意気込んだ。
関ブラザーズが再び同じチームでプレー
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
小保内と関は、北海では下位打線ながら、エスコンフィールド北海道で行われた南北海道大会決勝戦の北海道栄戦で勝負強さを発揮。なかでも小保内は途中出場が多かったが、決勝でフル出場で優勝に貢献。甲子園でも1回戦の大分・明豊戦で4点リードされた七回に途中出場。公式戦初アーチで反撃ののろしを上げると、1点ビハインドの延長十回1死一、三塁から右越えに同点適時打を放つなど2安打3打点で逆転勝利に導いた。4月12日のオープン戦では途中出場し四球で出塁、盗塁も決めた。「この春の目標は、1年生で全国の舞台にも立つこと。4年間での目標は仙台大に行った今北孝晟がいるので、全国で一緒に戦うのが目標」と元チームメートと大舞台での再会を目指す。関は兄・虎太郎(3年、北海高出)もいたことから進学を決断。3年ぶりに同じチームでプレーする。「守備は 最低限のことをやって、少しでも力になっていければ」と、兄弟タッグの結成を夢見る。
巻き返し期する138キロ左腕の中倉
長内と同じ138キロ左腕の中倉は、大学で巻き返しを図る。高校時代は1年秋から公式戦で登板も、1年秋、2年秋、3年春と3度札幌支部予選で北海に苦杯。分厚い壁にはね返され、一度も北海道大会に進出できなかったが今度はチームメートになる。「力強い。甲子園も経験していて、経験豊富。長内からも吸収できる部分は吸収したい。一日でも早く力になれるように」とデビューの日を待ち望む。
また新コーチにOBの小林由来さん(25)が就任した。弟はソフトバンク・小林珠維投手(22、東海大札幌高出)。主に打撃面を担当する。「いろいろと考えてやってきたので、練習の引き出しとかは伝えられる。人それぞれ体も違うし、身長も体重も違う。その選手の良さを消さないように」と長所をより引き出す指導を心がける。
昨秋の明治神宮大会逃した悔しさ晴らす
昨春は4勝6敗の4位。秋は優勝したが、明治神宮大会出場を懸けた東農大網走との決定戦では2連敗で全国代表切符を逃した。島崎監督は「代が変わって秋春連覇することは非常に重要なことだし、昨秋のリベンジを果たすには重要。春の全日本選手権、秋の明治神宮大会が最低限の目標であって最高の目標」。まずは3年ぶりの春の大舞台へ、スタートダッシュを決める。