田宮裕涼 六回に意地のタイムリー 打率.388〝隠れ首位打者〟が打線けん引
■パ・リーグ4回戦 日本ハム1ー5楽天(4月25日、楽天モバイルパーク宮城)
ブレーク中の6年目捕手が一矢報いる適時打
日本ハムの田宮裕涼捕手(23)が25日、楽天モバイルパークで行われた楽天戦の六回にチーム唯一の適時打を放った。4月11日のソフトバンク戦(北九州)以来6度目となるマルチ安打も記録。チームの連勝は止まったが、売り出し中の若手有望株は、バットで見せ場をつくった。
先発の鈴木と2番手の田中瑛で5失点
先発の鈴木と2番手の田中瑛が楽天打線につかまり、五回までに5点を失った。バッテリーを組んだ田宮は、2人のためにも何とか援護したかった。六回1死一、二塁の第3打席。「連打でつないでくれたので、絶対にランナーをかえす思いでした」と強い気持ちで岸の直球に食らいつき、右前にはじき返した。
開幕から好調を維持 クリーンアップ起用も増加
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今季は初めて開幕1軍切符をつかみ、開幕戦で先発マスクをかぶった。飛躍のシーズンの始まりだ。持ち前の強肩に加え、定評があったミート力に磨きがかかり、打撃も開眼。左右、どちらの投手も苦にせず、安打を量産している。最近では中軸の5番で起用されるケースが増えている。
打率は.388をマーク 「いい打席を送れている」
今季の打席数は53で規定打席(20試合消化の日本ハムは62)には届いていないが、打率.388をマーク。パ・リーグの打率首位は.333の柳田(ソフトバンク)で〝隠れ首位打者〟となっている。
田宮は自らの打撃の状態に触れ「変わらず、いい打席を送れているので、その結果なのかなと思います」と謙虚に言葉をつないだ。
あらゆる数字でキャリアハイを更新中 「そのまま突き進んでいきたい」
高卒でプロ入りして6年目。これまで1軍の出場は2022年の14試合が最多だったが、今季はすでに17試合まで伸ばしている。安打19本もキャリアハイだ。
ただ、現状に満足することも、喜びをかみしめることもない。「そのまま突き進んでいきたい。最後までいくだけだと思っています」。ここはまだまだ通過点。田宮の目には、勝利に貢献し続け、1軍で完走する未来しか、見えていない。