グッズ販売は過去最高の売上高４億６７３３万円

　北海道コンサドーレ札幌を運営する株式会社コンサドーレは２６日に株主総会を開き、第２８期（２０２３年２月１日から２４年１月３１日まで）の決算を承認し、４億１２０２万２０００円の純損失を計上したことを報告した。会社の純資産合計は３８４万９０００円となり、債務超過は免れた。

　収入面では、過去最多のパートナー企業数を記録した広告料収入が１９億３３１１万７０００円、グッズ販売でも過去最高の売上高となる４億６７３３万５０００円を計上。興行収入も新型コロナによる制限が撤廃され、全試合で導入したダイナミックプライシングの効果により、前期を上回る７億７５２０万７０００円となった。Ｊリーグ配分金収入は３億５７６９万８０００円、移籍金収入等を含むその他売上高は５億７８０９万３０００円となり、売上高は４１億１１４５万円を記録した。

人件費の高騰など影響

　一方、費用面では人件費の高騰などで試合運営経費が計画を上回り、広告料原価や商品原価でも予算を上回る経費を計上したことから、４億円超の純損失を出すこととなった。

　Ｊリーグは新型コロナの影響で、クラブライセンス発行への特例措置を設けていたが、新年度からその措置が無くなる。「債務超過」または「３会計期間以上連続赤字」になるとライセンスがはく奪されるルールのため、クラブは第三者割当による募集株式の発行で自己資本の強化を図るほか、興行収入および来場者増加に向けて取り組んでいく方針。Ｊリーグに提出した今期予算は、総収入４４億３５００万円、総支出４４億２７００万円で、８００万円の黒字を見込んでいる。

ホームゲーム運営費のコスト削減に着手

　株主総会終了後、報道陣の取材に対応した三上大勝代表取締役ＧＭ（５２）は４億円超の純損失について「トップチーム人件費は、ここ数年ひとつのめどとして１８．５億円に近いサイズ感でやっており、昨年の決算でもその範囲内だが、その他のコストが大きな要因になっている」と説明。具体例としてホームゲームの運営費や、アウェーゲームでの飛行機移動が多い地域ゆえのチームの運営管理費を挙げ、ホームゲームの運営費については既に今季からコスト削減に取り組んでいると報告した。

　ホームの来場者数が伸び悩んでいる現状からの改善策については、地域貢献に取り組んでいる企業に、貢献の一環としてホームゲームに招待する提案や、道内の小学校の修学旅行のコースに入れる提案等を、チケットセールスチームが中心となって動いていると説明。

　昨季から休止が続いている試合時のシャトルバスについては、運行再開できるかどうか状況を確認中とした。