高校野球
2024/04/29 08:00

旭川東 イチローさんの教えで悲願の甲子園つかむ

甲子園に出場しイチローさんに良い報告をするため、教えを実践している旭川東ナイン=撮影・西川薫

 2023年11月4日から2日間、旭川東高野球部のグラウンドに、NPBやMLBで数々の記録を樹立したイチローさん(50)が来校した。走攻守に渡って直接指導を受けた、その教えとは一体なんだったのか。22年夏の北北海道大会で53年ぶり11度目の決勝進出を果たすも、叶わなかった甲子園出場。悲願達成へ、その成果が少しずつ見え始めている。

校舎2階の展示コーナーには、イチローさんがフリー打撃で割った3階の窓ガラスやバット、ボールを展示

 

フリー打撃で見せた130メートル大飛球

 濃密な2日間のハイライトは初日のお手本のフリー打撃。63スイング中、右翼方向95メートルの奥にそびえ立つ、校舎3階の窓ガラスを割り、4階建て校舎屋上へ何度も放り込んだ。距離にして推定130メートル。主将の臼井颯汰内野手(3年)は「越えるとは想像していなかった。失礼ですけど、50歳になられる人が、と。最初は多分寒かったのもあって、ライトの後方ぐらいまでしか飛んでいなかった。体が暖まってきてからは、校舎の壁にバンバン当てるようになって、やっぱり違うなって。スパーンって校舎を越えたのは、すごい」。割れた窓ガラスは、校舎内の陳列ケースにイチローさんが使ったバットやサイン入りボールと一緒に保存してある。

昨年11月に指導へ訪れたイチローさん(手前)

 

SNSで調べて打撃の参考に

 1カ月前から来校を知っていた臼井主将ら部員も、実際に目の前で次々と大きな打球を放つイチローさんに目を奪われた。臼井主将は「イチローさんは日本を代表する野球人。バッティングとかで悩んでいる時に、SNSでどうやって打ったらいいのか調べたら、イチローさんの打ち方が流れてきて参考にした。WBCで活躍された場面だったり、イチローさん最後の試合になった東京ドームでやった、引退の時のライトフライ。ライトから送球、三塁に投げたのは、テレビで見てました」。間近で見る世界最高峰の打撃の秘密を少しでも、その目に焼き付けようと夢中になった。

イチローさんの言葉からスローガン決めた

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