ファイターズ
2024/04/27 19:10

《岩本勉のガン流F論》また一歩、ダルビッシュの領域に近づいた伊藤大海

■パ・リーグ4回戦 オリックス0-9日本ハム(4月27日、エスコンフィールド北海道)

濃密だった六回の攻防 これぞ野球の醍醐味

 六回の攻防に野球の醍醐味が凝縮されていた。まずは伊藤の投球だ。五回を終えて球数は88球。7三振を奪い、なんとノーヒットピッチングだった。体力的に球数以上の疲れがあったはずだ。そこで1死から初安打も許した。盗塁と四球もあり、2死一、二塁のピンチを迎えたのだが、後続を断った。

あらゆる状況を吟味し、引き出しを開けた伊藤

 疲れている時ほど、先発投手の力量が試される。どんな引き出しを開けるのか。ほどよい緊張感を保つ4点のリード。劣勢の相手には打席で焦りも出始める。3巡目の打線は狙い球を絞ってきているはず。それらを吟味し、空気を感じながら、必要最低限の出力で、うまくボールを散らした。

先発完投型らしいピッチング

 結果は無失点。見事な投球だった。この日、最後まで投げきることはできなかったが、これぞ先発完投型のピッチャーだ。いい当たりが野手の正面を突く運も引き寄せた。六回、最後の打者となったセデーニョの当たりは三塁ライナーとなった。

貯金をつくれる投手になってきた

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