負傷退場の札幌MF宮澤「絶対にあってはいけない」痛恨ドロー DF家泉「自分がやるしかない」
■J1第10節 札幌3-3湘南(4月27日、札幌ドーム)
3点差追いつかれて大ブーイング
試合終了のホイッスルと同時に札幌ドーム内に響き渡った北海道コンサドーレ札幌のサポーターからの大音量のブーイングが、最終的に手元に残った勝ち点1の意味を物語っていた。
後半20分過ぎから突如失速
後半9分に決まったMF青木亮太(28)のこの日2得点目となるゴールで3-0。ゴールデンウイーク初日の札幌ドームに詰めかけた1万6000人を超える観衆の大多数は、この時点で札幌の今季2勝目を確信したはずだったが、後半20分過ぎから札幌は突如失速。同22分に1点を返されると、勢いづく湘南に自陣へと攻め込まれる場面が多くなり、同40分、そして同アディショナルタイム3分に連続失点。同じ勝ち点で並ぶ湘南との〝6ポイントマッチ〟で、相手を突き放す絶好のチャンスをつかみかけていただけに、札幌にとっては痛恨のドロー決着となってしまった。
3バックDF岡村、FW菅が欠場
スクランブル態勢で臨んだ一戦だった。開幕から全試合出場を続けていたDF岡村大八(27)が、前節のホーム広島戦(1△1)で腰を痛めた影響で欠場。それに加えて前節左CBとして先発フル出場を果たしたFW菅大輝(25)も体調不良のため出場を見送るなど、前節の3バックのうち2人が不在となったが、岡村に代わって中央に入ったMF宮澤裕樹(34)が盤石のプレーぶりを披露すると、4試合ぶりの先発で左CBに入ったDF中村桐耶(23)も攻守両面で持ち味を発揮し、前半の湘南のシュートをわずか1本に抑える上々の安定感を見せた。
宮澤も腹部に異変感じて負傷退場
だがプレー中に相手の肘が右の脇腹付近に入り、腹部にしびれを感じてプレー続行が難しくなった宮澤がハーフタイムで負傷退場。さらなるアクシデントに見舞われた札幌の後半戦は惨憺たるものとなってしまった。
J1デビューのDF家泉が3バック中央へ「ラインが…」
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後半開始からJ1デビュー戦となったDF家泉怜依(24)が中央に、そして3-1となった同26分からDF髙尾瑠(27)が右CBにそれぞれ入るが、家泉が「相手が前に来ているときに、ラインコントロールが低くなってしまった」と振り返るように、湘南の圧力に押されDFラインを高く保つことができなかった。
前半はシュート1本に抑えるも後半は10本に
低くなるDFラインにつられるように前線の選手たちの位置も低くなったことで、湘南攻撃陣に容易に自陣への侵入を許されるようになり、撃たれたシュートは後半だけで10本を数えた。家泉は「1試合通して前から(プレスに)行っているので、行けていないときに自分たちがもっと声を掛けて行かせたりする部分だったり、マークの部分だったりというのはあると思う」と反省の弁を口にする
宮澤「もうちょっと抑えることができた」
自らが抜けた後に崩壊してしまった守備陣に宮澤は「(ピッチの)中でどういう状況で、どういう感覚でやっていたのかは分からないけど、ゴール前のところを含めて大事なところを抑えるところも、もうちょっとチームとして抑えることができたかと思いますし、3-0から追い付かれるということは絶対にあってはいけない」と苦言を呈した。
家泉「受け入れて改善していく」
家泉は「自分も守備で入っている以上、あそこから引き分けに持っていかれるというのは、誰がどう見てもありえないし、おかしいと思いますけど、結果を受け入れて改善していくしかない」と、猛省しながらも必死に前を向く。
次節は暫定首位・C大阪と
中5日で迎える次節のアウェーC大阪戦(5月3日、ヨドコウ)は宮澤、岡村の出場が不透明な状況。下を向いている時間などは無い。「自分がやるしかない。すぐに試合があるので、今まで以上に準備というか、考えてサッカーをしないとJ1ではダメ」と家泉。この日の試合結果はもう変えることができない。この屈辱に心折られてズルズルと後退するのか、それともリバウンドメンタリティーを発揮してはい上がることができるのか。暫定首位チームとの一戦で札幌の真価が問われることとなる。