【札幌6大学野球】北海学園大が白星発進 木村と常谷 3年生コンビが躍動
■札幌6大学野球春季リーグ戦 第1節第1日(4月29日、札幌円山)
北海学園大6-0札幌大谷大
投打の柱が、開幕白星に導いた―。札幌6大学野球春季リーグ戦が開幕し、北海学園大が札幌大谷大に快勝した。開幕戦の先発マウンドを任された木村駿太投手(3年、札幌国際情報)が6回無失点12奪三振の快投を見せると、「3番・遊撃」で先発した常谷拓輝内野手(3年、札幌静修)が三回に先制3ランを放つなど、2安打5打点と中軸の役割を十分に果たした。昨秋のリーグ戦を制した北海学園大が2季連続のリーグ制覇へ上々のスタートを切った。
エース木村は6回0封12K
顔色一つ変えることなく、淡々と投げ込んだ。木村は二回に1死一、三塁のピンチを背負ったが、後続から連続三振を奪って切り抜けると、奪三振ショーが始まった。三回から3イニング連続で2奪三振とマークすると、最後のイニングとなった六回は3者連続三振を奪い、余力を残してバトンをつないだ。「無失点で終われたのは良かったです」と緊張感もある初戦の登板で、スコアボードに「0」を並べてみせた。
「去年より真っすぐで三振を取れた」
最速はこの日も計測した144キロと、飛び抜けて速い直球を持つわけではないが、ツーシームや今季から取り入れたカットボールなど、130キロ前半の速い変化球を交えることで、相手打者を翻弄。「去年よりも真っすぐで三振を取れた。変化球を真っすぐと同じように投げられるようにやっているので、そういう部分が振ってくれることにつながっている」と投球の幅が広がっていることを実感。「序盤は球数がかさんで、自分の中ではあんまりまだ納得はいっていないです」とさらなる上積みも予感させた。
島崎監督も太鼓判「絶対的な安定感」
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昨秋のリーグ優勝を決めた札幌大谷大戦で完封勝利を挙げた3年生左腕を、島崎圭介監督(52)は「絶対的な安定感がある」と満を持して初戦のマウンドに送り出した。北海学園大の投手陣には工藤泰己投手(3年、北海)や高谷舟投手(3年、札幌日大高)といった150キロ超の好投手など、ハイレベルな面々が揃っている。日頃から互いに切磋琢磨している木村は「去年よりもレベルアップした投手陣で今回のリーグ戦に臨める」と力を込めた。
公式戦初の3ラン含む5打点
そんなエースの好投に応えたのは同じく3年生の常谷だ。0-0で迎えた三回1死二、三塁。甘く入ってきた直球を逃さなかった。快音を残した打球はそのままバックスクリーン左に着弾。常谷自身、公式戦初となる3ランアーチで、同学年左腕に援護点をプレゼントした。常谷は九回にも右翼への2点適時打を放ち、この試合5打点を記録。「最後のライトへのヒットは今後につながるいい1本だった」と納得の表情を見せた。
秋春連覇へ盤石
島崎監督が求めるのは「うまいよりも強い」選手。常谷も昨オフは体力強化に重点を置いた。ベンチプレスは80キロから90キロ、スクワットは150キロから170キロまで数値が上がった。体重も昨秋は80キロ程度だったが、85キロまでボリュームアップ。バットスイングも解析機器で可視化、数値化しながら、手首を返さないように矯正したことで打球に角度が付くようになった。遊撃をこなしながら、最速144キロの横手右腕としてショートイニングを投げられる身体能力は大きな魅力。このリーグ戦では「打率3割5分以上、ホームラン3本以上、OPS(出塁率+長打率)を1以上。あと得点圏打率を上げて、打点を挙げられるようなバッターになりたい」と圧倒的な成績を目標に掲げる。北海学園大が〝秋春連覇〟へ、盤石の形で球春を迎えた。