細川凌平 1番抜てきに応える猛打賞 1軍野手最年少が開幕前に学んだ〝リーダー論〟とは
■パ・リーグ4回戦 日本ハム2ー1西武(4月30日、ベルーナドーム)
1カ月ぶりのスタメン出場で3安打&2盗塁
日本ハムの細川凌平内野手(22)が1番での起用に応え、3安打2盗塁と躍動した。先発出場は3月31日のロッテ戦以来、約1カ月ぶり。ようやく巡ってきたチャンスで、1軍最年少野手が暴れまくった。
驚きを上回るやりがい 「練習から良い準備を」
練習前に「1番・右翼」での先発を伝えられた。「おぉ、1番かー」と多少の驚きはあったが、やるべきことをやるいつものスタンスは変わらない。
「(右翼の)ポジションしかり、打順しかり、自分がまだ多く経験していないところだったので、とにかく練習から良い準備をしよう、最低限のところはしっかりやっていこうという考えでやっていました。それが良い結果につながったと思います」と胸を張った。
1打席目の凡退が布石 そこから打ちも打ったり
西武先発の平良に対し、第1打席は「してやられたという感じだった」と力ない中飛に打ち取られた。それでも「それ(第1打席)をふまえて、言えないですけど、自分なりに対策を考えました」と第2打席からは快音を連発。三回に右前打、五回に投手内野安打、七回に中前打を放ち、二塁でのけん制死もあったが、積極的な走塁で2盗塁を決めた。
「自分以外の、普段スタメンで出ていない選手も、スタメンで出たら結果を出すということが、今シーズンには多々ある。自分も先発のチャンスというか、機会をいただいた時のために準備しようと思っていたので、それが良い結果につながって良かったです」
難しさとやりがいを感じる途中出場
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
開幕から1軍でプレーを続けるものの、守備固めや代走など、途中出場がメインだった。プロでの経験が浅い22歳にとって、難しい役目だが、誇りを持って向き合っている。
「自分に与えていただいている仕事、役割というのが、基本的にはスタメンじゃない。自分の中で守備固めとか、緊迫した場面で試合に出していただいているので、そこは本当に意気に感じています。スタメンではないから、気持ちが下がるとかは全然、僕の中ではなくて、今の役割にすごくやりがいを感じています」と前向きだ。
決して無駄にできないチャンス その先にあるスタメン
もちろん〝控え〟に甘んじるつもりはない。与えられた仕事を高いレベルでこなしながら、虎視眈々とレギュラーの座を狙っている。
「きょうのように、万波さんをDHで休ませるじゃないけど、(前日はエスコンフィールドで試合があり)移動がきつい中で負担を減らせるということで、(先発の)機会を与えてくださっている。そういう時のために、自分は何ができるかという部分だと思う。こういうスタメンのチャンスをいただいた時に、自分は絶対、結果を出してやるぞという気持ちだけは、やっぱり忘れてはダメなので、そういう気持ちです」と力を込めた。
欠かさない勉強 目指すのは共感型リーダー
今はまだ、若手の一人だが、将来はチームを背負う〝リーダー〟になるつもりだ。開幕前には、「共感型リーダー まわりが自然と動く、何歳からでも身につく思考法」という本を読み、良いリーダーとはどんな人物かを学んだ。
「この本はすごく自分に響きました。リーダーとは、みたいな内容で、どういうリーダーが良いのかを、すごく学べた。リーダーって、表現がざっくりしているじゃないですか。リーダーの中でも、いろんなリーダーがいる。共感型リーダーというのは、人々が見えないビジョンを語って、その実現に共感させて、ともに歩むリーダー。何かを、させるのではなくて、したいと思わせる人間であれと。部下に、やらなければいけないことをやりたいと思わせる技術が、リーダーシップ。というようなことも学べて。こういう本を読んで、こういう手段、方法もあるんだなと思ったので、それを参考にしながら、まだ、自分は言える立場ではないですけど、自分が引っ張っていける立場になった時に、そういうのをやっていきたいなと思いますし、今使えなくても今後の財産になるので、勉強になりました」
成長著しい4年目野手 「技術力アップのためにやるだけ」
好調をキープするチームの中でも、日ごとに存在感を増している22歳。「自分はまだ、状態がどうとか言っていられる選手じゃないと思うし、一日一日、技術力アップのためにやるだけだと思う。それを毎日、続けていきたいなと思います」と意気込んだ。
未来のリーダーは日々の鍛錬を欠かさず、1歩ずつ確実に前進を続ける。