《岩本勉のガン流F論》すべてを正解に変えた男
■パ・リーグ7回戦 日本ハム3ー0オリックス(5月3日、京セラドーム大阪)
のらりくらりの鈴木 自身のスタイルに自信を深めたはず
先発した鈴木が先頭打者にヒットを許しながらも六回1死の2巡目まで1安打無失点。今季初勝利を飾った。「のらりくらり」とは、まさにこのようなピッチング。勇気を持ってスローボールを織り交ぜ、オリックス打線を次々と凡打させていった。本人も納得の投球で、さらにこのスタイルに自信を深めたはずだ。
継投策を選んだベンチ チームを救ったのは…
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そんなサブマリンを、いやチームを救ったのがロドリゲスだろう。六回。1死を取った鈴木が降板。ベンチは継投策を選択し、北浦をマウンドに送った。だが、北浦は2死目を取った後、長短2連打で二、三塁のピンチを迎えた。ここで登場したのがロドリゲスだ。打席に4番の頓宮を迎えた。1ストライクから、最大の武器であるシュート系のボール。狙い通り、頓宮のバットを詰まらせ、捕邪飛に打ち取った。
すべての裏目を表に引き戻した
この1つのアウト。試合の流れを左右する重要なシーンだった。一本出れば、流れはガラッと変わりかねない。となれば、2番手の北浦からの継投は裏目。と言わざるを得ない。鈴木の降板さえも、振り返って「?」が付きかねない。ロドリゲスがすべての裏目を表に引き戻した。
大きかった1つのアウト 持っているボールは素晴らしい
これまで、クイックがなんや―、フォームがどうだ―と散々言われ続けてきた。だが、マウンドに上がった時点で走者はスコアリングポジション。目の前のバッターに集中するしかないシチュエーションが奏功した。もともと持っているボールには素晴らしいものがある。
終わってみれば、その後も河野、マーフィー、田中正と勝ちパターンの投手をつぎ込んで逃げ切った。結果は3―0。ベンチワークが実を結んだといこうとになる。それもこれもロドリゲスが奪った1死が大きかった。
ハマった采配 打線組み替えも奏功
「ハマった采配」でいえば、打順の組み替えも機能した。一回にいきなり、5番に入った万波が先制の2点二塁打。6番の郡司にもタイムリーが出た。ロドリゲスの好リリーフがすべてを浄化させた。