《C大阪戦後》出だしが厳しい状況だが、札幌は必ずはい上がってみせる
■J1第11節 C大阪1―1札幌(5月3日、大阪・ヨドコウ桜スタジアム)
―試合を振り返って
今日は首位のC大阪対最下位の札幌というゲームであったため、見に来られる方はおそらくC大阪が3点、4点、5点取って勝利するのではないかと予想した方が多いのではないかと思う。試合は引き分けに終わったが、そういう前提条件を知らないで見ている方がいるとしたら、どちらが首位で最下位か分からなかったかもしれない。
狙いとするところは十分に出せていたと思うし、攻守において自分たちの戦術というものがよく出たゲームかなと私自身は評価している。ただ、ゲームはいろいろな影響や要素があって試合結果というものが最終的に出る。はっきりとは言わないが、いろいろなものが影響した中で、今日は最終的に引き分けという結果に終わったと思っている。
もちろん私個人としては、われわれのチームは勝利に値するぐらいのゲームを見せられたのではないかと思っているし、それは見ていた方がそれぞれの思い、あるいは考えを持っていただいていいのではないか。
―「狙いとするところが出せていた」という話があったが、具体的に攻守においてどのような狙いを持っていたのか
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今日、どういう部分をわれわれが狙いとして持っていて、どういう部分がうまく行ったのかと言えば、サッカーを専門的に見られる方でないとおそらく分からないだろうが、1つの例としては、相手の6番の選手(DF登里)をわれわれは抑えたと思う。C大阪はああいったところで相手のギャップをうまくつくって攻撃を仕掛けるチームなので、そこをうまく抑えたと思うし、それ以外にもいろいろあるが、ここで具体的に私が何かを言っても、おそらく分からない方も多いと思うので、あえて言う必要も無いと思っている。
相手の6番の選手のところが攻撃の起点になる場面が、他の試合では非常に多いと思うが、彼は守備のときはサイドバック、攻撃のときには真ん中のボランチに入ってくる。そういう動きで相手とのギャップをつくって、そこをほころびにしながら攻撃を組み立てるのがC大阪の狙いだろうが、今日に関しては、われわれがそこを抑えられたと思うし、彼もボールを持って自由にプレーする機会は無かったのではないか。
今日(MF田中)駿汰はピッチにいたかなと。私はあまり目に留まらなかったが。駿汰はボランチのポジションがやりたい、代表選手になりたいという思いがあって、環境を変えて新たなチャレンジという意味でC大阪に移籍したと思うが、今日のプレーは「今日試合に出ていましたか?」と皆さんに聞いてみたいぐらいの感じではなかったろうか。
C大阪には札幌からDF進藤、田中駿汰、MFルーカスと、過去にわれわれのクラブに所属していた選手が3人いるが、私自身は非常に大切に育てた選手なので、その選手たちがこの大阪でプレーすることに関しては、自分の子供を見るような、そういう思いでいつも見守っている。C大阪の3人の選手に関しては、今後の活躍を期待しているし、応援したいと思っている。
札幌に関しては、今年FW小柏剛がFC東京に移籍したし、昨年途中にはMF金子拓郎がザグレブに移籍した。去年から見ると多くの選手が抜けている中で、今シーズンは出だしが厳しい状況にあるが、ただ札幌はそういう状況でも必ずはい上がってみせる、と思っている。徐々にわれわれの戦いというのはトップのチームに対しても見せられるようになってきたと思っているので、あと足りないのは結果ではないか。
もちろん最下位にいるので、結果に対する責任は私、監督にある。この状況をしっかりと私自身も感じながら、何とかチームが、あるいはクラブがはい上がれるように、自分の仕事がある限り頑張っていきたい。結果に対する責任は、常に監督にあるということだ。