札幌の40歳GK菅野&J1初先発DF家泉を中心に守備立て直し成功
■J1第11節 C大阪1―1札幌(5月3日、大阪・ヨドコウ桜スタジアム)
北海道コンサドーレ札幌が守備を立て直し、前節終了時点で首位に立っていたC大阪とのアウェーゲームで、貴重な勝ち点1を手にした。
札幌は第10節を終えてリーグワーストタイの20失点。特に前節のホーム湘南戦(3△3)では3点を先行しながらも後半立て続けに3失点を喫してドローに持ち込まれるなど、守備面の脆弱さが目立っていた。さらに今節はDF岡村大八(28)、MF宮澤裕樹(34)が共にケガのため欠場。非常に苦しい戦いとなることが予想されていた。
異例の3日連続ミーティングで対策
だが異例の3日間連続ミーティングで守備の立て直しを図った成果が、ピッチ上で発揮された。PKでの1失点こそあったものの、C大阪のシュートを8本に抑え、流れの中では最後まで得点を許さなかった。40歳の誕生日当日の試合でJ1通算350試合出場を達成したGK菅野孝憲は、前半18分に迎えた1対1の決定的なシーンでファインセーブを見せるなど、この日も高いレベルのパフォーマンスを披露。引き分けという結果には「勝つチャンスがあったのに」と悔しさを見せたものの、「1失点してからも怖がらずに僕たちのサッカーができたし、先週1週間毎日ミーティングをやって、失点についてもディスカッションできた。それがバタバタしなかった1つの要因と思う」と、前節と同じ轍を踏むことなく、最少失点で最後まで耐えしのいだ守備陣をたたえた。
岡村、宮澤不在のピンチでJ1初先発した家泉
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守備の要の2人が不在というピンチで、自らの務めをしっかりと果たしたのが、J1リーグ戦初先発となったDF家泉怜依(24)だ。この試合では前節まで5試合連続ゴール中だったFWレオセアラ(29)と何度もバトルを繰り広げた。「ちょっと遅れたときに入れ替わる部分があったので、そこを無くしていけたら」と反省する点はあったものの、「先にポジションを取れていると負けていなかった」と、得点ランク2位に付ける強者とのマッチアップで持ち前の高さと強さを発揮し、流れの中での得点を許すことはなかった。
後半から出場した湘南戦の反省生かした
湘南戦では負傷交代した宮澤に代わって後半開始時から出場したが、守備をうまく統率できずに3失点した。「自分がもっと全体をコントロールして、ラインコントロールやマークの受け渡しをすれば防げた」と、ミーティングを積み重ねる中で自らのプレーを反省。中5日で迎えたリベンジの舞台で、「改善した部分が出せた。引き分けにはなったけど、いい試合の流れでいけたと思う」と、J1で戦う手応えをつかむことができたようだ。
中2日で6日にFC東京戦
ゴールデンウイーク連戦の2試合を共に引き分けた札幌は、中2日でFC東京(6日、札幌ドーム)をホームに迎え撃つ。岡村、宮澤の出場は不透明であり、家泉のパフォーマンスに再び期待がかかる状況だ。「自分がもし次も出るならリーダーシップをとって、今日みたいに試合の展開をもっと読んで、1試合を通していい内容、いい試合で終わりたい」。不動の守備の要である岡村の座をうかがう背番号15が、初先発をきっかけにさらなる飛躍を目指す。