レバンガ北海道の41歳・桜井良太が現役生活にピリオド「思い出に残るプレーができた」
■Bリーグ1部第36節(5月4日、札幌・北海きたえーる)
▽レバンガ北海道78-85アルバルク東京
Bリーグ・レバンガ北海道創設時からの最後のメンバー、SG/SF桜井良太(41)が現役生活最後の試合に臨んだ。プロデビューしたトヨタ自動車が前身のA東京に78-85で敗れたが、28試合ぶりに先発出場した桜井は12分42秒プレー。第2クオーター(Q)には現役最後となる3点シュートを決めるなど、会場を大いに沸かせた。来季以降もチームに残ることが確実で、背番号「11」は折茂武彦代表の「9」に続き、永久欠番となることが検討されている。
引退試合特製Tシャツの桜色に染まった
2005年にトヨタ自動車でプロデビュー。19シーズンで積み重ねた得点は4834点。長年愛された背番号11が満員のブースターに惜しまれつつ、コートを去った。第2Q残り3分45秒。左コーナーから桜井の放ったきれいな放物線がリングに吸い込まれると〝桜色〟の引退試合特製Tシャツに染まった会場が割れんばかりの歓声に包まれた。「最後に決められて思い出に残るプレーができた」と、その勇姿を見せつけた。
終了間際は失敗「なんか焦っちゃった」
勝敗が決した第4Q残り9秒と同3秒、フリーから2点シュートと3点シュートを連続で放ったが、決めることができず頭を抱えて苦笑いを浮かべた。「なんか焦っちゃったんですよね。最後はバスケ少年のような気持ちでやれたので、いい思い出になりました」と、少年の笑顔を見せた。
試合後のセレモニーでは声を詰まらせ…
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試合後の引退セレモニーでは、18-19シーズンの残留戦を振り返り、声を詰まらせるシーンもあった。「横浜さんとの残留争いの後、正直、体がもう無理だなっていうのが自分の中ではあったんですけど、なかなか引退を決められず…(涙)続けてきたんですけど、今のバスケットっていうのは、ロースターの12人がしっかり仕事できないと勝てない。その中に自分がいる意義を探しながら、最後の5シーズンぐらいプレーしていたんですけど、自分の気持ちをごまかしながらやっていたような気もします」と、モチベーションを見つけるのに苦しんだ。
折茂代表から花束 握手とハグ
セレモニーで花束を渡した折茂武彦代表(53)は「良太、ほんとに17年間お疲れ様でした。17年前に良太と一緒に北海道に来て、チームの消滅だったり、チームの勝てない時期が続いたり、環境が悪かったり、クラブがまた厳しい状況になったり。苦しくて辛かったかもしれないですけど、本当にチームをけん引してくれたと思います。本当に良太には感謝してます」と、二人三脚で築き上げてきたチーム黎明期を振り返った。折茂代表が花束を渡すと、握手に照れる折茂代表をA東京の橋本竜馬に背中を押され、握手を交わしハグした。そしてセレモニーの最後には、両チームのメンバーから背番号にちなみ11回宙を舞い「バスケット選手として幸せでした」と感謝した。
6月8日の引退試合は「点数取りにいきたい」
開幕前「引退後もずっと北海道で過ごしていきたい」と話していた桜井。「これから、新B1、Bプレミアが始まる。その景色を自分も見てみたい」と、今後もクラブに残る方向。これから本格的に話し合いが行われる予定だが、コーチやフロントにも興味があるという。さらに6月8日の引退試合(北海きたえーる)に向けては「点数は取りにいきたい。めちゃくちゃ楽しみたい」と最後は晴れやかな表情で締めくくった。