球春到来! 美唄尚栄が道内白星一番乗り「1番・投手」尾嵜が5回ノーヒッター&ランニング本塁打
■春季全道高校野球空知支部(5月5日、滝川市営球場)
▽1回戦 美唄尚栄19-0深川東 ※五回コールド
16年春以来の公式戦勝利
春1勝道内一番乗りだ! 春季全道高校野球が空知支部から開幕した。美唄尚栄が深川東を圧倒し、2016年春以来となる公式戦勝利を手にした。「1番・投手」で先発した左腕・尾嵜翔太投手(3年)が投げては五回参考ながら無安打無得点、打ってもランニング本塁打含む3安打2打点をマークするなど、投打でチームを〝開幕勝利〟に導いた。
〝北海道1号〟のランニング弾
表情を変えることなく、淡々と投げ込んだ。五回2死、最後の打者を投ゴロに抑え、参考記録ながら無安打無得点を達成。直球とスライダーを軸にして、リズム良く打者を打ち取っていった。尾嵜は「2016年からチームが勝ててなくて、何とか今年は絶対に勝ちたいと思っていて、北海道一番最初の試合で僕たちが勝って、2回戦につなげたかった」と有言実行の投球を見せ、美唄尚栄に8年ぶりの白星をたぐり寄せた。打っても、四回に〝北海道1号〟となる左越えのランニング本塁打を記録。「第1号ですか? うれしいですね」と喜んだ。
前日は緊張で午前3時就寝も 投球テンポとリズムは…
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前日4日に先発登板を告げられた。人生初の公式戦登板が決まり、心臓の鼓動は高まるばかりだった。午後11時にベッドに入ったが、午前3時まで眠りに就けなかったという。しかし、マウンドに上がってからはその緊張感を見せることはなかった。
一回こそ先頭に四球を与え、盗塁と捕手の失策で無死三塁のピンチをつくったが、後続を仕留めて切り抜けると、その後は走者を許すことがなかった。今春から就任した三原経敬監督(30)も「練習試合でも制球が良かった。テンポとリズムが良い」と目を細めた。
WBCで中日・岡田の投球見て
大阪生まれの尾嵜は小学6年生のときに家族の都合で美唄へと移住し、そのタイミングで野球を始めた。きっかけは2017年に開催されたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)。1次ラウンドのオーストラリア戦、五回1死一、二塁で登板した中日の岡田俊哉投手(32)が暴投と四球で満塁とピンチを広げたが、二ゴロ併殺でピンチを切り抜けた姿に心を奪われた。
中日ファンでもある尾嵜は美唄尚栄の青いアンダーシャツに「(一緒だと)思ってました」と〝ドラゴンズブルー〟を身に付け、公式戦を戦っている。
王者の足元をすくう試合がしたい
次は昨夏の北大会王者・クラークとの対戦となる。難しい試合が予想されるが、尾嵜は「周りも(美唄)尚栄が負けると思っていると思うけど、足元をすくうぐらいの試合をしたい」と虎視眈々と大金星を狙う。8年ぶりに〝春〟の訪れた美唄尚栄が、その勢いのまま難敵に向かっていく。