背番号3の長嶋が投打に活躍 現校名ラストイヤーの岩見沢東が今季初公式戦で白星発進
■春季全道高校野球空知支部(5月5日、滝川市営球場)
▽1回戦 岩見沢東8-1砂川 ※七回コールド
創立102年目
道内10支部の先陣を切って空知支部が開幕した。初日の第2試合は昨春の支部準優勝校・岩見沢東が砂川に七回コールドで勝利。投打でチームに貢献したのが、背番号3を付ける長嶋陽斗(はると、3年)だ。
一回の先頭打者から5者連続三振
2025年春に岩見沢西と統合し、新設校として生まれ変わる岩見沢東。創立102年目を迎えた伝統校のラストイヤー公式戦初戦は、「3番・投手」で先発出場した長嶋の快投で幕を開けた。「ちょっと準備の時間が足りなくて、少し焦っていた部分もあったけど、キャッチャーの新居が良いコミュニケーションを取ってくれて楽に投げられました」と振り返る立ち上がりで、先頭打者から5者連続三振をマーク。最高のスタートでチームを勢いづけた。
右前適時打後は3打席連続バント
そのチームの勢いをさらに加速させたのは打者・長嶋だった。一回1死二塁のチャンスで打席が回ってくると、ライト前にタイムリーヒットを放って先制。自らの投球と打撃で流れを一気に引き寄せた。
以降の3打席ではランナーがいる状況で、得意だと語るバントを全て成功させた。特に1点を勝ち越して迎えた五回の第3打席では、無死一、二塁できっちりとランナーを進めチャンスを拡大。その後、福井蒼心(そうしん、2年)の2点三塁打などで一挙7得点のビッグイニングを生み出すきっかけをつくり出した。
六回からは〝サード長嶋〟へ
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長嶋は六回からはその福井にマウンドを譲ると、入れ替わりで三塁の守備へ。「(同じ名字と)よく言われるけど、それはうれしいです」と語る〝ミスター〟こと長嶋茂雄さん(88)を想起させる「サード長嶋、背番号3」で、ゲームセットの瞬間を迎えた。
板橋監督「我慢しながら守れた」
同校OBでもある板橋宏季監督(42)は、攻守両面でチームの課題を挙げつつも、「公式戦で勝ったことがないチームだったので、序盤接戦になっても我慢して行くぞという話を事前にしていて。実際そういう展開になったけど、何とか我慢しながら守れたのが一番良かったかな。初戦としては上出来だった」と選手たちをたたえた。
初戦勝利から徐々にチーム構築を
昨季は春、夏と、2季連続で全道大会へ進出。だが新チームで臨んだ秋季大会は初戦で滝川西に1-11で大敗を喫した。長嶋は「去年の秋に悔しい思いをして、冬にどういう目標でやるのかをチームで話をして。まずは春の初戦で1勝して、そこからしっかりチームをつくっていこうという考えでした」と振り返る。背番号1を背負う佐藤澄士(きよし、3年)をケガで欠く中、一塁手登録の長嶋が好投を見せるなど部員全員でピンチを乗り越え、目標としていた〝春1勝〟を手中に収めた。
野球部の伝統と思い最後まで貫く
「野球部も100年続いていて、その最後の年なので。伝統や思いを最後まで貫いて、いい形で岩東野球部を締めくくれたらなと思っています」と長嶋。過去には春季全道ベスト4も経験している公立校が、現校名最後のシーズンで幸先の良いスタートを切った。