札幌がまたしても〝複数得点の壁〟越えられず逆転負け GW3連戦未勝利で再び最下位へ転落
■J1第12節 札幌1-2FC東京(5月6日、札幌ドーム)
5戦連続未勝利に
北海道コンサドーレ札幌はホームでFC東京に痛恨の逆転負けを喫した。これで5試合勝利無し(4分1敗)。10日間で3試合を戦うゴールデンウイーク連戦で札幌が積み上げた勝ち点は2にとどまり、再び最下位に転落することとなった。
ペースは握るも追加点を奪えず
首位だったC大阪と3日のアウェーゲーム(1△1)で互角以上の戦いを演じた札幌は、中2日で臨んだこの一戦でも勢いそのままに序盤からボールを保持して主導権を握った。開始早々の前半5分にDF馬場晴也(22)のスーパーゴールで先制に成功。さらに勢いを加速させて何度もFC東京陣内へと侵入するが、なかなかフィニッシュまで結びつけることができないでいると、同27分にカウンターから失点を喫して同点に追い付かれてしまう。
荒野がまさかのトラップミス ここで浴びた後半唯一のシュートに泣く
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後半に入っても札幌はFC東京にシュートを許さず、試合を優位に展開。ゴールデンウイーク最終日に札幌ドームに詰めかけた1万7187人の観衆が見守る中、試合は思わぬ形で動くこととなった。後半20分、自陣ゴール前でのFKで、GK菅野孝憲(40)のパスを受けようとしたMF荒野拓馬主将(31)の左足トラップが大きくなってしまう。ボールが相手に渡ると最後は相手FWディエゴ・オリヴェイラにゴールへと流し込まれた。
荒野が「連係ミス」と振り返るように、ポジションを取ろうと後退している際に菅野からボールが出されたことで生じたズレ。試合が終わってみればFC東京の後半シュートはこの1本のみで、札幌にとっては悔やんでも悔やみきれない場面となってしまった。
リーグワースト5位の総得点11
札幌が下位低迷に苦しむ原因の一つが得点力の低さだ。リーグ戦12試合を終えて、複数得点をマークしたのは第10節の湘南戦(3△3)のみで、総得点11はリーグワースト5位。昨年は12試合終了時点で25得点を挙げていたことを考えれば、今季の数字は寂しい限りだ。この試合でも結局、複数得点の壁を越えられずに最後まで同点ゴールは生まれなかった。
支配しながら効果的な崩しならず
今季全試合で先発しているMF駒井善成(31)は「ボール支配は上回っていました(67%)けど、もっと効果的に(パスを)回せるところはありますし、相手ががっちりとセットしてきた中で、もうちょっとシャドーの選手が下りて来て加わっても良かった」と、守備を固めた相手を崩しきれなかったことを振り返り、「もっとチームとして連動してボールを動かせれば、相手のギャップで回せたかなとも思う。いい崩しもあったけど、もっとチャンスをつくれた場面もあったんじゃないか」と反省した。
FW陣の不調が順位に直結
そしてフィニッシャーの不在も響いている。現在のチーム最多得点者はこの日の馬場とMF青木亮太(28)、MF浅野雄也(27)が並んでいるが、その数はわずか2得点。J1の20クラブの中では唯一FW登録選手にゴールが生まれておらず、この日も先発フル出場したFW鈴木武蔵(30)が放ったシュートは前半の1本のみ。後半26分から途中出場したFW金健熙(29)はゼロに終わった。
開幕当初に比べるとチームとして攻撃の形をつくることは徐々にできてきている。ボランチとしてチームのバランスを取る駒井も「やっているうちに、しっかりとみんなが自信を持ってやりだしたところはある」と手応えをつかみつつあるが、ゴールという結果に結びついていないことが最下位低迷という現実を生み出している。
自慢の攻撃サッカーが火を噴く日はいつになるのか。残された時間は決して多くはない。