前日に1軍再昇格した野村佑希 今季初のタイムリー談話「谷内さん(コーチ)のおかげです」を考えたのは…?
■パ・リーグ6回戦 日本ハム1ー2ソフトバンク(5月7日、みずほペイペイドーム)
「5番・左翼」で先発 一回のチャンスできっちり先制打
日本ハムの野村佑希内野手(23)が7日、ソフトバンク戦(みずほペイペイドーム)に「5番・左翼」で先発出場し、先制の右前打を放った。
前日6日に1軍再昇格し、今季初の猛打賞を記録。「もう一つ打球が上がってほしいところはありますけど、全体的に鎌ケ谷からやってきたいい状態でできているんじゃないかなと思います」。2軍で鍛錬を積み、たくましさがさらに増してきた。
!? 聞き覚えのあるコメント
2死一、二塁で迎えた野村の第1打席。相手先発・有原が投じた2球目を迷いなく振り抜いた。出場10試合目で今季初打点をマーク。試合中に球団を通して出したコメントには、聞き覚えのあるフレーズがあった。「ツーアウトからのチャンスだったので、思い切っていきました。谷内さん(コーチ)のおかげです」
2022年シーズンにも発していた試合中の談話
2022年にも、試合中の談話を「谷内さんのおかげです。えへっ」と絵文字付きで発表していた。当時は「谷内さんが代わりにコメントを考えてくれました。深掘りはしないでください」と照れていたが、今回も似たようなやりとりがあった。
野村「僕は言っていないですね(笑)」 〝犯人〟はやはり…
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試合後、野村は「谷内コーチのおかげですって出ていましたか? 僕は言っていないですね(笑)。谷内さんが自分で言った可能性があります」とニヤリ。近くにいた谷内亮太内野守備走塁コーチ(33)が、コメントを付け足したようだった。昨季まで同じ内野手としてともにプレー。親身になって相談に乗ってくれる同コーチへの感謝は尽きない。
昨秋のキャンプで練習前にマンツーマン〝指導〟
谷内コーチは昨季限りで現役を退き、指導者に転身。コーチとして本格的に指導した昨年の秋季キャンプでは、練習前のベンチで野村とじっくり話し込んだことがあった。
「僕はあの(野村の)〝負のオーラ〟のおかげで試合に出られていた。選手時代は恩恵を受けていましたけど、立場が違うし、チームが勝つために必要なので、ちょっと声かけしたくらいです。オフはこういうつもりでやっていこうとか、アイツが(道を)それないように話したつもりです」
谷内コーチ「厳しい世界で、なんとか結果を」
厳しくもユーモアにあふれる言葉は、期待の裏返しでもある。「自分がやらないといけないことと、うまくいかないところのギャップで苦しんでいるところは絶対ある。アイツの苦しさも分かるし、すぐに顔に出て、自暴自棄になることが多い。そういうのじゃなくて、こういう気持ちで取り組もうよと話しました。ダメなら2軍に行く厳しい世界で、なんとか結果を出して、自分で立場をつくってほしいなと思います」
将来性豊かな若武者のことをいつも気にかけていた。
レベルアップし1軍再昇格 狙うは当然、レギュラーの座
開幕直後の不振で2軍降格も味わった野村だったが、結果を残して1軍にカムバック。この日は第2打席にも左前打を放ち、八回にはボールを見極めて四球を選んだ。
「結果を出すために、打つためにやってきている。それができなかったらファームに落ちる。しっかりポジションというか、出る場所をつかみ取りたいなという感じです。本当に勝たないといけないので、あしたもしっかりいいところで打てるよう頑張りたいと思います」。覚悟を決めた男は頼もしい。