浅間大基 約2カ月ぶり実戦復帰「やった(けがをした)時は絶望でした」
■イースタン・リーグ6回戦 DeNA3ー4日本ハム(5月8日、鎌ケ谷スタジアム)
「3番・DH」で先発 ノーヒットも二盗で存在感
不屈の男がグラウンドに戻ってきた。右手首痛で離脱していた日本ハムの浅間大基外野手(27)が3月14日の広島とのオープン戦以来、約2カ月ぶりに実戦復帰を果たした。
「3番・DH」で先発出場し、2打席に立って1三振1死球。安打は出なかったが、二盗を決めるなどハツラツとした動きで、けがからの復活を印象づけた。
優れた野球センス健在 死球にヒヤリも「大丈夫です」
久々の試合を楽しむように、ダイヤモンドを駆け回った。一回の第1打席は見逃し三振に倒れるも、先頭で迎えた四回の第2打席は死球で出塁。再三けん制を受けながらも、1死から二盗を決め、さらに相手捕手の悪送球を見逃さず三進した。
得点にはつながらなかったが、「とりあえず(試合に)出られたので良かったです。(死球は)エルボーだったので全然、大丈夫です」と、さわやかに汗を拭った。
度重なるアクシデント 試練続きのプロ人生
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野球の神様は浅間に何度、試練を与えるのだろうか。高卒2年目の2016年から腰痛に悩まされ、17年11月に腰部椎間板ヘルニアの内視鏡手術を行った。患部に不安がなくなり、レギュラー奪取を狙った19年4月には右すねに自打球を当て、骨挫傷で約4カ月半、戦列を離れた。同9月に1軍復帰するも、直後に右肘の肉離れで登録抹消。20年1月の自主トレ期間中には左第3中手骨を剥離骨折し、同年の1軍出場は8月までずれ込んだ。
21年に初めて規定打席に到達したが、22年は新型コロナ感染による離脱に加え、9月には右足関節骨棘骨折および外傷性滑膜炎で再び手術。さらに不運は続き、昨年2月26日の阪神とのオープン戦で守備時に左足を骨折。同3月1日に手術し、6月30日に1軍昇格を果たすも、7月には2軍落ちし、シーズンが終わるまで患部の違和感に悩まされ続けた。
勝負の10年目も… 3月14日の広島戦で負傷
〝今年こそ〟と並々ならぬ覚悟で、プロ10年目の今季を迎えていた。春季キャンプは2軍スタートも、結果を出し続け、1軍昇格を勝ち取った。オープン戦は8試合に出場し、打率.381をマーク。開幕スタメンを手中に収めかけていたが、3月14日の広島戦で右手首を痛め、またしても負傷離脱した。
「(調子が良い時にけがをするのは)いつもなので。やった時は結構、絶望でした」。度重なるけがに、心が折れるのは当然だった。
浅間の辞書に「諦め」の文字はない
それでも浅間は諦めなかった。「開幕は間に合わなかったので、とにかく早くシーズンに入れるように、早く治すことだけ考えていました。前を向くしかなかったので、引きずらずにやっていまいした」。もちろん、簡単に気持ちを切り替えることはできないが「(リハビリを)やりながらって感じですね。己を信じてやっていました」と、時間をかけて心身を回復させていった。
ここから再出発! 本領発揮へ準備着々
痛みは消えたが、万全まではもう一歩だ。「バットを握った感じがもう少し、しっくりくれば良いのかなと思います。そのへんの感覚を良くしていければ、バッティングも良くなってくる」と先を見据えた。
送球に問題はなく、今後は守備にも就く予定。絶望からはい上がり、今度こそチームの力になってみせる。