【ライブレポート】タイトル未定・川本空の卒業公演「STAY BLUE」【全170カット】
■5月5日、札幌・道新ホール
北海道発のアイドルグループ「タイトル未定」に所属する川本空の卒業公演「STAY BLUE」が開催された。6月末で閉館する道新ホールでの初のワンマンライブはカバー2曲を含む全17曲を披露。笑いあり涙ありと、川本のキャラクターが存分に示された一夜となった。川本は5月20日に東京・Zepp DiverCityで行われるワンマンライブ「TETRAPOD」をもってグループを卒業する。
400人超のファンが集結
背中合わせで歩き出そう―。「春霞」をアンコールで披露すると、卒業する川本を温かく送り出すかのように白と桃のペンライトが揺れた。遡ること90分前。開催の発表が4月19日と直前だったにも関わらず、川本の道内最後のワンマンライブとなるステージを見届けようと、400人を超えるファンが集結した。
代表曲「青春群像」からスタート
期待と寂しさが入り交じったような独特の雰囲気に包まれる中、オープニング映像とSEが流れ、ステージにメンバー4人が登場。代表曲である「青春群像」からライブは始まった。「主題歌」「夏のオレンジ」と続き、MCを挟んで、3月3日に全国リリースした「群青」を披露。その後は「溺れる」「道標」「いつか」「黎明」とタイトル未定らしく、楽曲の幅広さで観客を魅了していく。
川本考案の卒業企画の谷が涙ぐみ
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2回目のMCの後は川本が考案した卒業企画の時間に突入。2年前の「TOKYO IDOL FESTIVAL」でカバーしたアイドルネッサンスの「前髪」を再び4人で歌い始めると、感極まった谷乃愛は涙ぐんで声を詰まらせていた。
「なまらめんこいギャル」で一変
会場には優しくも儚い空気が充満していたが、次の曲で一変した。アニメ「道産子ギャルはなまらめんこい」のオープニングテーマだったオーイシマサヨシの「なまらめんこいギャル」を川本がソロでカバー。曲の終盤にはタイトル未定のメンバーのみならず、同じくTSUIMA所属のBYBBiTとiluxionのメンバーや事務所のスタッフがステージに上がり、華やかに会場を盛り上げた。川本も「夢が叶った~! ありがとう~!」と喜んだ。
ファンへの感謝の思い
そして、川本が1人ステージに残り、アイドル人生の2年間を振り返りながら、ファンへ感謝の思いを口にした。
応援してくださっているみなさんには感謝の言葉しかありません。加入前、実は同時に日向坂46さんの審査も受けていて、1次審査合格の通知が届いたタイミングでタイトル未定に入るかお返事をしなければなりませんでした。迷わずタイトル未定一択でした。それは今も後悔していません。知らない世界に飛び込んで、いろいろなことを知って、いろんな人たちに出会って、みなさんと一緒に過ごしていくうちに将来への目標が少しずつ具体化してきたことで、今自分がすべきこと、やりたいことが明確化してきました。
タイトル未定として活動してきた約2年間、みなさんと過ごしたこの素晴らしい時間のおかげで誰かの役に立ちたい、もっとたくさんの人たちを笑顔にしたいという気持ちが日に日に強くなり、目標に進むことに決めました。目標を宣言することは今はしませんが、いつか何らかの形で私の名前を目にすることができるよう、精一杯頑張ります。私のみなさんへの恩返しはここから始まります。5月20日のライブが終わったら、タイトル未定の川本空ではなくなってしまいますが、これからも心の片隅で応援していただけると幸いです。本当に、本当に、ありがとうございました!
その後、メンバーにはそれぞれメッセージを送った。
阿部葉菜へ
私が新メンバーで加入したとき、実質、入れ替えのような感じだったので、私のような人間が受け入れられてもらえるのか不安だったときに、絶対に守るからと言ってくれたこと、本当に心強かったです。その言葉があったから、私は今ここにいるんだなと思います。あとは笑いのツボが同じで、他の人に通じないようなネタが、なちゃん(阿部)には通じたりして、普段のライブの合間とか帰り道とか遠征の移動中とかもお腹を抱えながら声を出して笑えるぐらい、一緒にいると元気が出ました。なちゃんの太陽みたいな笑顔とビタミンパワーでこれからもたくさんの人を笑顔にしてほしいです。
冨樫優花へ
優ちゃんはどんなときもマイペースで、そのマイペースさに私はたくさん助けられてきました。私が学業との両立で悩んでいたとき、心が折れてしまいそうだった私に一番に連絡してくれて、そのとき掛けてくれた言葉をずっと大切にしています。今でも辛くなったときは見返して、優ちゃんがいるから私も頑張ろうと思えていました。優ちゃんには誰も持っていない感性や個性があります。自分らしさを大切にもっともっと前に進んでいってください。
谷乃愛へ
乃愛ちゃんとはもしかしたら最近、お互い本心で話せるようになった気がします。お互い、いろんな話をしていくうちに価値観が似ていて、食の好みも同じで、アイドル活動に対しても共感できることが多いということがとてもうれしかったです。もっと最初のうちに勇気を出して、いろんなことを話したかったなと思います。初めての東京遠征で新宿に行ったとき、私が初めてナンパをされて、ナンパをされた私を乃愛ちゃんが走って助けに来てくれて『乃愛ちゃん、かっこいい…』ってそのときに思いました。乃愛ちゃんは可愛くて今時のルックスだけど、中身はしっかりした面がとてもかっこいいです。乃愛ちゃんにはもっと自分を大切に、自分を表に出していってほしいです。乃愛ちゃんは可愛いんだから、いつでも自信を持って幸せな道を歩んでください。
拳を突き上げ、熱い思いをコール
しっとりとした雰囲気の中、ライブは終盤に突入。4月23日に配信リリースされたばかりのキュートな「桜味」、4人の表現力が光る「最適解」、そして「鼓動」で会場のボルテージは最高潮に達した。皆が拳を突き上げ、熱い思いをコールに乗せた。その後は「僕ら」「綺麗事」と続き、「栞」でライブ本編を締めくくった。
最後まで全力で走り続ける
「まだまだ終われない」。そんなファンの熱いアンコールに応え、メンバーが再びステージに登場。アンコールに選んだのは、卒業ソングにピッタリの「春霞」だった。終わりに川本が「私が卒業するのは5月20日ですので、それまで私は全力で走り続けます」とあいさつ。アイドル・川本空の魅力が詰め込まれた90分。最後は1人深々と頭を下げ、卒業ライブの幕を引いた。
川本空の卒業公演「STAY BLUE」の模様を写真でお届けします。※川本空の写真多め