矢沢宏太が連続三振で火消し成功 プロ初黒星から3日後に屈辱晴らす魂の11球
■パ・リーグ7回戦 ロッテ3-6日本ハム(5月10日、エスコンフィールド北海道)
二刀流に挑戦している日本ハムの矢沢宏太投手(23)が10日、エスコンフィールド北海道で行われたロッテ戦の五回途中に救援し、2者連続三振で火消しに成功した。7日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)では延長十二回にサヨナラの一打を許し、プロ初黒星を喫していたが、鬼気迫る投球で屈辱を晴らした。
五回1死三塁の場面でマウンドへ
劣勢のムードをガラリと変えた。2点ビハインドの五回1死三塁。先発の福島からバトンを受けた。これ以上の失点は命取りになると分かっていたが、覚悟を決めて大胆に攻めた。「前に飛ばさせないように、とにかく強いボールをゾーンに投げ込んでいく。でも、(走者が)返ったらしゃーないなぐらい、開き直っていけました」。
「ストライクゾーン内に強いボールを投げ込めた」
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1球ごとに声が出た。代打の石川慎は148キロ直球で空振り三振。前の打席で本塁打を放っていたソトは、150キロ超の直球で追い込み、最後は変化球を振らせた。小さくガッツポーズし、弾むようにステップしてベンチに戻った。魂のこもった11球。試合後の表情は柔らかく「ストライクゾーン内に強いボールを投げ込めたのが良かったかなと。そこが一番かなと思います」と胸を張った。
ソフトバンク戦で1球の重み痛感
前回登板は3日前のソフトバンク戦。命運を左右する延長十二回のマウンドを託された。2本の安打と四球で無死満塁のピンチを招き、周東に左犠飛を許した。首脳陣や仲間に励まされ、気丈に振る舞っていたが、1球の重みと1敗の痛みをかみしめていた。
いい準備をして引きずらないこと
ただ、どんな厳しい結果に直面しても、引きずることはなかった。ネガティブな思考は捨て「前回は前回で、きょうはきょうで、という感じです」と割り切っていた。ブレない信念を持ち合わせている。「僕の中ではベストを毎試合、尽くしていますし、その中で打たれたらしょうがないと思っています。いい準備ができているからそう思える。しっかりいい準備して、毎試合臨むのが大事かなと思います」。
ルーキーイヤーの昨季は野手で37試合に出場し、初本塁打も放ったが、今はバットを置き、リリーフの仕事に集中する。投打ともに大きな可能性を秘めた2022年のドラ1は、長所を伸ばしながら着実に進化している。