松本剛 100%セーフを確信し、仕掛けた三盗 その根拠はー
■パ・リーグ8回戦 ロッテ0ー3日本ハム(5月11日、エスコンフィールド北海道)
六回の追加点を演出 ヒットの後に二盗、三盗
日本ハムの松本剛外野手(30)が11日、エスコンフィールド北海道で行われたロッテ戦の六回に意表を突く〝足攻〟を見せた。右前打で出塁後、続けざまに二盗、三盗を成功。田宮裕涼捕手(23)の右犠飛で2点目のホームを踏み「盗塁はいけると思っていきました。100%セーフになると思ったのでいきました」と、してやったりの表情だった。
好投を続ける助っ人左腕を揺さぶった
わずかな隙も見逃さない。防御率0点台だったロッテのメルセデスを塁上からかく乱した。1死一塁。2度のけん制の後、モーションを盗み、二盗成功。落胆の色を隠せないバッテリーをよそに、再び動いた。脱力しているように見せかけて好スタートを切り、三塁を陥れた。
データと研ぎ澄まされた感覚で確信
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本来ならリスクの高い三盗も、決してギャンブルではなかった。
「スタートした瞬間にセーフだと思いました。あの場面は100%セーフじゃないと行かない。(メルセデスの)クイックがそこまで速くなかったですし、一塁けん制は上手ですけど、二塁けん制は得意なタイプではないと思って」。事前にインプットしていた情報と実際の動きを照らし合わせ、タイミングを計った。確信を持って仕掛けられる材料は揃っていた。
不安解消で本領発揮 足技も大きな武器
2022年は21盗塁(盗塁死5)をマーク。23年は両アキレス腱(けん)を痛めた影響で、12盗塁(盗塁死12)にとどまった。今季はオフの念入りな治療、ケアが奏功し、患部の不安が解消された。33試合消化時点で、6盗塁(盗塁死1)。切れ味鋭い武器を取り戻している。
豊富な引き出しで新庄野球を体現
新庄監督が「セコセコ野球」を提唱するように、連打や長打が出なくても、しぶとく得点する手段がある。松本剛は5日のオリックス戦(京セラドーム)でスクイズを決めている。下積みが長く、つなぎ役を担う機会も多かった分、知識や技術の引き出しは豊富だ。
必要不可欠なリーダー すべてでチームをけん引
相手ベンチ、バッテリーと駆け引きしながら、足や小技を絡めることで活路が開ける場面はある。頭脳的なプレーの重要度に触れ「(全体が)投高打低になっているのは事実ですし、良い投手が増えている。細かいプレーや守備、走塁も間違いなく大事になってくる。終盤になればなるほど、そういう(競った)ゲームが増える。みんな、意識高くできていると思います」と実感を込めた。
頼れるリーダーは率先して、緻密で大胆な野球を実践していく。