高校野球
2024/05/16 08:00

【プロになった道産子球児たち 指導者の目線】高校編 ⑥旭川志峯・端場雅治部長「2人はうちが勝てない時に一気に強くしてくれた」

旭川志峯の端場雅治部長=撮影・西川薫

 北海道から誕生したプロ野球選手の学生時代を見てきた指導者に話を聞く企画「プロになった道産子球児たち 指導者の目線」。高校編第6回は旭川大高(現・旭川志峯)元監督の端場雅治部長(54)を紹介する。同校OBとして1993年秋からの22年夏まで29年間の監督生活で夏の甲子園に7度出場。ヤクルト・沼田翔平投手(23)、広島・持丸泰輝捕手(22)が現役として活躍している。

持丸がOP戦出場「頑張ってるから呼ばれたんだろう」

 3月12日から3日間、エスコンFで行われたオープン戦、広島対日本ハム3連戦の最終日。チームに帯同した持丸は、2日連続の途中出場だったが、プロ入り後初めて観戦に訪れた恩師に合わせたかのように先発マスクをかぶってフル出場。残念ながら3打席凡退、六回1死満塁から捕逸で1点献上と、少々精彩を欠いた。「あいつがパスボールするイメージは全くないですね。プロの球は速いし、変化球も切れるしね。あの1軍の試合は、ちょっとご褒美的な、北海道だから。でもね、そうやって呼ばれて試合に使ってもらえるというだけで、頑張ってるんだろうな、と。頑張ってなかったら呼んでもらえないですね、多分」と目を細めた。

3月14日エスコンFで行われたオープン戦、広島対日本ハムで先発マスクをかぶった持丸

 

プロ1号田沢は「才能がすごかった」

 同校出身のプロ第1号は、2005年に西武3位で指名された、田沢由哉投手(37、2010年引退)。1年時に背番号17でベンチ入りした夏の甲子園1回戦の小松島戦(徳島)で、マウンドも経験。「入学当初からすごかったですよ。もう能力抜群です。投げても走っても打っても、何をやっても良かった。努力はしましたけどね、もう才能がすごかった」。2年以降は支部を突破できなかったが「こういうやつがプロ選手になるんだろうな」と衝撃を受けた選手だった。

2005年、西武3位で指名された旭川大高・田沢(右)を祝福した端場監督

 

2人目はイケメンエース沼田 甲子園初タイブレークの死闘

 2人目は〝イケメンエース〟として2018年夏の甲子園を沸かせた沼田投手だ。1回戦の佐久長聖戦で甲子園史上初となるタイブレークの死闘を演じた。同校では入学直後の春季旭川支部1回戦でいきなり先発デビュー。「中学の時はそれなりにボールが強かったし、いいボール投げてましたよね。まだ体が全然できてないし、軟式上がりの子だったので、細かいことは全然できてなかった。真っすぐばかりで、変化球はほとんど放れなかった。細かいことをやり始めたのは高校から」と、実戦経験を積みながら少しずつ実力を伸ばしていった。

3年春にはプロから本格的に注目され

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