スピードスケート男子 復調の長谷川が500制す
■全日本選抜スピードスケート帯広大会(第1日 19日、明治北海道十勝オーバル)
男子500メートルは、2018年平昌五輪代表の長谷川翼(27、日本電産サンキョー、白樺高出)が35秒04で優勝した。昨季から不調続きだったが、12月末の北京五輪日本代表選考会(長野)に向けて復調の兆しを見せた。女子500メートルは、昨季W杯メンバーの稲川くるみ(22、大東文化大―帯三条高)が制した。
基礎練習繰り返しスランプ脱出
長谷川がオリンピアンの意地を見せた。最終コーナーでバランスを崩しながらも、目標に設定していた34秒台に迫る35秒04をマーク。日本記録保持者の新浜立也(25、高崎健康福祉大職、釧商高出)ら一線級が不在の中、負けられない戦いをものにした。
去年から続くスランプの脱出だ。「何をやってもうまくいかなかった」と今季序盤も調子は上向かず、10月の全日本距離別選手権では500メートルで8位。W杯メンバー入りを逃し、同選手権後には自らのスケーティングを見直した。基礎練習を繰り返し、氷にしっかりと力が伝わらず「(スケートが)縦に抜けてしまう」という課題を修正。この日は今季自己ベストをマークし、一歩一歩、完全復活に近づいている。
男子500メートルは新浜、村上右磨(28、高堂建設)を筆頭に、ハイレベルな代表争いが続く。2大会連続の五輪出場を目指す長谷川は「まだ(代表争いの)スタートラインにも立てていない。僕が(五輪に)行けると思っている人は全然いないと思うけど、そういう状況の方が好き。年末に下克上できるように頑張りたい」と前を向いた。(島山知房)
新星・稲川が女子500V
〇…若手のホープ・稲川が女子500メートルで優勝した。昨季は国内フルメンバーが揃った全日本距離別選手権女子500メートルで表彰台に上がるなど、飛躍のシーズンを過ごした。しかし、今季は夏のナショナルチーム合宿中に腰を負傷し、出遅れている。北京五輪出場が懸かる年末の代表選考会に向け「代表に入れるように自分のレベルを上げていくしかない」と話した。